【専門家監修】猫の鳴き声で気持ちを知ろう!鳴き続ける時の対策も紹介

公開日:2023.12.04 更新日:2024.02.15

猫と暮らしている方にとって、猫がなぜ鳴いているのか、その理由を知りたい方もいるのではないでしょうか。愛猫がずっと鳴き止まずに悩んでいる方もいるでしょう。 猫の鳴き声の種類は豊富にあり、それぞれに異なる理由があります。病気やストレスが原因で鳴いているケースもある ため、猫の心身の状態を把握する意味でも、鳴き声の意味を知るのは大切です。 この記事では、猫が鳴く理由や、鳴き声の種類と気持ち、鳴き続ける時の対処法を紹介します。

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記事の目次

猫が鳴くのには理由がある?

座って頭を傾げる猫

猫が鳴く理由は、年齢や性別、野良猫と飼い猫によって異なります 。たとえ同じ鳴き声であっても、全ての猫が共通の理由で鳴いているわけではありません。

猫の気持ちを理解する第一歩として「子猫・成猫」「野良猫・飼い猫」「オス猫・メス猫」に分けて、鳴く理由をそれぞれ解説します。

子猫・成猫の違い

子猫が鳴く理由の多くは、お腹が減っている 時です。その他、甘えや排泄など、何かしらの要求がある際にも「ミャーミャー」と甲高い声で鳴きます 。

成猫になるとしっぽの動きやしぐさ、表情で猫同士コミュニケーションを取るようになるため、子猫ほど多くは鳴きません 。

野良猫・飼い猫の違い

野生下の猫は基本的に単独行動をしている ため、発情期や猫同士のケンカ、高い木に登って降りられないなどの緊急時以外はほぼ鳴きません 。

一方飼い猫は、飼い主に対して「遊んで欲しい」「お腹が空いた」といった要求がある場合、鳴き声で伝えます 。猫が鳴いて甘えてくるたびに飼い主が放っておけず、ついつい構いすぎたり、甘やかしたりすることで「鳴けば構ってもらえる」と学習するためです。

オス猫・メス猫の違い

個体差はあるものの、性別で比較するとオス猫のほうが多く鳴く傾向があります 。発情期にはオスメスともに、人間の赤ちゃんが泣くような声で鳴くのが特徴 です。

野良猫が多い地域に住んでいる方は、春ごろに相手を呼び求めるメス猫や、ケンカをしているオス猫の声をよく聞くでしょう。

猫の鳴き声はバリエーション豊富!

鳴き声を上げる子猫

猫の鳴き声といっても、種類や気持ちはさまざまです。最近では猫の鳴き声から気持ちを読み取れる、猫語の翻訳アプリも登場しています。愛猫が何を訴えて鳴いているかを知りたい方は、一度利用してみるとよいかもしれません。

ここでは猫の鳴き声の種類と、どのような気持ちから発しているかを紹介していきます。

甘え・要求

飼い主の帰宅時や、猫に話しかけた時に「ニャッ」と短く鳴くのは、軽いあいさつのようなもの です。ご飯がおいしい時には 「ウニャウニャ」と、まるで話しているような鳴き声を出すこともあります。

「ニャーン」や「ニャー」と高い声で鳴くのは甘えているか、ご飯や遊びを要求しているサインです。

鳴き声ではありませんが、リラックス時には「グルグル」「ゴロゴロ」と喉を鳴らします。猫が喉を鳴らすのは満足している証拠です。飼い主の膝の上で安心している時や、なでられて気持ちよい時に 多く見られます。

不安・威嚇

毛を逆立てたり、しっぽを膨らませたりしながら「フー」「シャー」と鳴くのは、威嚇や拒絶です。猫同士のケンカの際や、新しい猫を迎えた時によく見られます。

低い声で「ミャーオ」「アオーン」と鳴くのは、不満や不安を抱えている証拠です。飼い主が見当たらない時や、部屋の外に出して欲しい時にも多く見られます。

発情・興奮

発情期や興奮状態の猫は、オスメスともに「ウァーオ、ウァーオ」と鳴き続けるのが特徴です。特にメス猫は、周囲のオス猫に自分の存在をアピールするために、遠くに響くような低くて大きな鳴き声を上げます 。

メス猫は生後8か月程度で発情期を迎えるのが一般的です。発情期間は約14日で、腰を持ち上げて振ったりはいつくばるような姿勢になったり、普段とは異なるしぐさを見せます 。

サイレントニャー

猫の鳴き声のひとつである、サイレントニャーをご存知でしょうか。サイレントニャーは、猫が口を開けて鳴いているようなしぐさを見せるものの、鳴き声が聞こえない状態のことです。この時、猫は人間に聞こえない高周波の鳴き声を出してい ます。

サイレントニャーは子猫が母猫に甘えたい時に出 す音です。飼い主に対して鳴いているような表情を見せた時は甘えている証拠と捉え、遊んだりなでてあげたりすると喜ぶでしょう。

クラッキング

クラッキングとは、猫が口を小刻みに開閉しながら「カカカカ……」「ケケケ……」「ニャニャニャ」と鳴くこと です。虫や鳥など、猫の狩猟本能を刺激するものを見た時に行うことが多い でしょう。

猫は動くものを見ると捕まえたくなる習性があり、動く獲物に興奮し、捕まえたいけれど捕まえられないもどかしさからクラッキングを発します 。

猫のこんな鳴き声・鳴き方には要注意!

獣医師に抱っこされる猫

飼い主にとって、さまざまな鳴き声で愛猫が一生懸命に気持ちを伝えてくる姿はかわいいものです。しかし、大きな声で鳴きながら苦しそうにしていたり、普段とは違う行動が見られたりすると「大丈夫かな……」と心配になるでしょう。

次のような鳴き声や行動が見られる場合は、なるべく早く動物病院を受診して、獣医師に相談することをおすすめします。

かすれた声で鳴く

声がかすれて鳴きづらそうにしている場合、猫風邪の可能性があります。完全室内飼いの猫は、猫風邪 ウィルスへの感染リスクが低い傾向です。しかし、飼い主が外猫を触った手で家猫に触れたり、靴にウィルスが付着したりして、そこから感染する場合もあります。

くしゃみや鼻水が出ていないか、目やにがひどくなっていないかをチェックし、該当する場合は獣医師に相談しましょう 。

大声で叫ぶように鳴く

猫は体調が悪くても、周囲に悟られないようにする生き物です。「アオー」と苦しそうに大声で鳴く場合、体のどこかに異常があるかもしれません。

例えば、息が荒く、口呼吸をしているなら呼吸器系の異常や熱中症が疑われます。足を引きずる様子があれば、ケガの可能性も考えられるでしょう。

猫がよだれを出すのは、歯周病や口内炎の際に多く見られる症状です。排尿時に痛がって鳴いたり、血尿が出ていたりする場合は膀胱炎の可能性があります 。

異常な行動が伴う

鳴き声だけでなく、行動の異常が見られる場合も注意が必要です。例えば、まっすぐに歩くことができず立ち上がれない、目の瞳孔の開きに左右差があるといった場合にはすぐに動物病院を受診 しましょう。

また、飼い猫が高齢の場合、認知症を発症するケースがまれにあります。以下のような行動は認知症のサイン です。日頃から猫の行動をマメにチェックすると、病気の早期発見にもつながります。

・夜間に意味もなくウロウロする
・トイレを失敗する
・性格が攻撃的に変わる

猫が鳴き続ける時の対処法

鳴き声で飼い主に何かを訴えている猫

猫の鳴き声はかわいいものの、ずっと鳴き続けられると周囲の迷惑にならないか心配になることもあるでしょう。病気が原因でない要求鳴きであれば、猫が鳴いている理由に適した対策を取ることで、鳴き続けるのを改善できる場合があります。

ここでは、猫が鳴き続ける時の対処法を3つご紹介します。

先回りして要求を満たしておく

ご飯や遊びを要求して鳴いている場合は先回りをしてご飯を準備したり、遊んであげたりすると要求鳴きを予防できる でしょう。寝起きなどお腹が空く時間に備えて、ご飯を事前に用意しておくのも得策です。

忙しい飼い主さんには、いつでも自動でご飯が与えられる、マルカン「ペット用オートフィーダー」をおすすめします。給餌時刻を自由に設定できるため、急な残業や予定にも備えられ るでしょう。

また、若い成猫は体力があり、ストレス発散にたくさん遊びたがる傾向です。猫じゃらしなどのおもちゃを使って遊びに誘ってあげましょう 。

参考:『オートフィーダー』

過度の要求には応えない

飼い猫の中には、鳴けば飼い主に要求が通ると学習している猫も多くいます。そのため過度に構いすぎず、時には無視することも必要でしょう 。

例えば、ご飯を要求して鳴き続ける場合、鳴き止むのを待ってから与えるのもひとつの方法です。最初は一層大きく鳴くかもしれませんが、しつけの一環として根気強く続け ましょう。

避妊・去勢手術をする

猫の妊娠を望んでいない飼い主さんは、避妊・去勢手術を検討するのもひとつの方法です。発情期に興奮して鳴くのを減らせたり、性格がより穏やかになったり とさまざまなメリットがあります。

去勢をしていないオス猫に多く見られる、尿スプレー行動(マーキング)の改善が期待できるのも大きなメリットです。乳がんや前立腺、生殖器の病気も予防できる ため、気になる方は動物病院に相談してみるとよいでしょう。

まとめ

猫に頬ずりする女性

猫が鳴いている理由が分かれば、飼い主と愛猫との関係がさらに深まります。病気の早期発見につながる可能性もある ため、鳴き声に耳を傾けるとともに、普段と異なる行動をしていないかも注意しながら観察しましょう。

マルカンは、大切な家族である愛猫の健康管理を気遣い、楽しく豊かな暮らしを送りたいと願う飼い主さんをサポートする商品を多数取りそろえていま す。気になる方はぜひ一度、マルカンのサイトをチェックしてみてください。

また、PAGEでは、猫について、特徴や飼い方についての情報を発信しております。
猫の特徴、飼い方について気になる方はぜひ「猫の特徴や飼い方」をチェックしてみましょう。

愛玩動物飼養管理士・老犬介護スペシャリスト

鍵山 由香

愛玩動物飼養管理士・老犬介護スペシャリスト  鍵山 由香

トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。

トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。

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