うさぎの手足の特徴は?部位ごとの仕組みを詳しく解説

公開日:2023.10.05 更新日:2024.02.15

うさぎを飼いたいけれど、うさぎの体の特徴をよく知らないという方もいるのではないでしょうか。中でも手足はうさぎが病気になっているかどうかを判断する部位でもあるので、基本的な知識を解説していきます。 この記事では、うさぎの手足や爪の特徴を詳しく解説するとともに、うさぎが手を舐める理由や骨折した場合の対処法をご紹介します。手足以外の部位の基礎知識も説明しているので、これからうさぎを飼育することを検討している方はぜひ参考にしてください。

CONTENTS

記事の目次

うさぎの手足や爪の特徴を詳しく解説

横を向くうさぎ

うさぎの体の特徴や構造を知っておくと、うさぎにもしものことがあったときの早期発見・早期治療につながります。

うさぎの手足を含む体の部位の大まかな区分は以下のとおりです。

・手足
・爪
・歯
・目
・鼻
・耳
・しっぽ
・被毛
・胃腸
・生殖器

ここからはそれぞれの部位について詳しく解説します。

手足

うさぎの手(前足)は後足よりも短く、穴を掘りやすい構造をしています。一方の後足は筋肉質で、地面を力強く蹴って数メートルほど飛び跳ねることが可能です。

身軽に動けるぶん、うさぎの骨はとても軽量でもろい性質を持っています。高所から落下して足を強打すると骨折するおそれがあるので、抱っこするときは十分注意しましょう。

また、うさぎの足は土や草をしっかり捉えられるよう、肉球が付いていません。足裏はやや厚めの毛で覆われているだけなので、ケージの床材が硬かったり、運動不足に陥ったりすると足裏が硬化してしまうおそれがあります。

放っておくとソアホックという皮膚炎を発症し、痛みや赤みが出たり、潰瘍ができたりする可能性があるので気を付けましょう。

うさぎの爪は、前足の指に5本、後足の指に4本ずつ生えています。爪の色はうさぎの毛色によって異なり、白色の爪もあれば黒色の爪もあるなど多種多彩です。

うさぎの爪は人間と同じく、時間の経過とともに伸びてくるので、定期的に爪切りでお手入れしましょう。爪切りを使うときは爪の先端のみをカットし、爪の中の血管まで傷つけないよう注意します。また、爪切りのときにうさぎが暴れると、手足の骨が折れてしまうこともあるので気を付けましょう。

月に1回ペースでお手入れするのが理想ですが、不安な方はうさぎ専門店などプロに任せることをおすすめします。

うさぎの歯は全部で28本あり、前歯は鋭い切歯、奥歯は臼歯です。すべての歯は一生生え続ける常生歯で年間約12センチメートルも伸びるため、うさぎは主食である牧草を咀嚼して歯の伸びすぎを防がなければなりません。

牧草を十分に食べさせないと、歯が伸びすぎて不正咬合を引き起こす原因となります。不正咬合になると咀嚼がうまくできず物を飲み込めなくなったり、伸びすぎた歯が口腔内を傷つけたりすることもあるため注意しましょう。

不正咬合は与える餌の種類や、餌の与えすぎの他、生まれ付きのケースもあります。不正咬合になった場合は動物病院で歯を削るなどの治療が必要です。

うさぎの目は顔の横に付いているため、非常に視野が広く、ほぼ360度を見回すことが可能です。ただ、立体的に見える範囲は狭く、色や形もあまり見えていない可能性があります。

視力は0.1以下とかなり低めですが、光を感じ取る能力に優れており、周囲が真っ暗でも何かにぶつかる心配はありません。そのぶん強い光には弱いので、フラッシュを焚いて撮影したり、ライトを当てたりするのは控えましょう。

目の色は赤というイメージがありますが、実際は黒や茶がほとんどです。目が赤くなっていたり、目やにが出るときは病気の可能性があるので注意しましょう。

うさぎの鼻は1分間に20回~120回くらい動いています。特に警戒心を抱いているときや、何かの匂いを嗅ぐときはせわしなく鼻を動かすようです。

嗅覚は鋭く、人間の10倍に及ぶといわれています。そのため、飼い主がいつもと違う匂いを付けていると、機嫌が悪くなったり、攻撃的な行動を取ったりすることもあるので注意が必要です。香りのきつい香水や柔軟剤、芳香剤などを使うのはなるべく避けた方がよいでしょう。

うさぎの耳は野生の外敵から身を守るアンテナの役割を果たしています。左右の耳は別々に動かすことが可能で、どの方角からどのような音が鳴っているのかを素早くキャッチできます。

また、うさぎの耳には多数の血管が通っており、体の熱を放散するなど体温調節の機能も担っています。耳が冷たくなっているときは体調不良のサインかもしれないので、様子を見てあげましょう。

なお、うさぎの耳は感情表現に用いられることもあります。ピンと立っているときは興味や警戒心が強く、後ろに倒れているときはリラックスしている証拠です。

しっぽ

うさぎのしっぽは短くて丸いので、犬や猫に比べるとあまり目立ちません。しかし、よく見るとしっぽを上げ下げしたり、横に振ったりしています。

うさぎがしっぽを振る理由は複数ありますが、コミュニケーションや意思表示の意味があるようです。例えばしっぽを振っているときはうれしさや楽しさ、上がっているときは怒り、下がっているときはリラックスの気持ちを表しています。声帯のないうさぎが意思を伝える重要な手段というわけです。

うさぎのしっぽはとても敏感な部位なので、たとえスキンシップでもみだりに触らないよう注意しましょう。

被毛

うさぎの毛は、皮膚を覆う短くて柔らかな毛と、それを保護する長くて硬い毛の2層構造です。毛の長さや生え方、色は品種によってまちまちですが、どのうさぎにも毛が生え替わる換毛があります。

3か月に1回訪れる換毛期は体力を消耗するため、いつもより餌や水を多めに与えましょう。また、うさぎは日頃から舌を使って毛繕いしますが、毛を飲み込んでしまうことがあります。

毛を飲み込むと後述する毛球症になり、食欲不振やフンの減少といった異常が出始めるので要注意です。特に長毛種に多いトラブルなので、定期的にブラッシングを行いましょう。

胃腸

うさぎの腸は非常に長く、食べた牧草などは胃腸や盲腸で消化され、盲腸フンと呼ばれる栄養源を作っています。この盲腸フンを食べて生きるためのエネルギーを生み出しているところがうさぎの特徴です。

なお、胃の入口は非常に狭く、かつ胃の上部に付いているので一度胃に入ったものは吐き出せません。消化管の働きを維持するためにも、繊維質が多い牧草をしっかり食べさせることが大切です。

また、毛繕いで飲み込んだ毛球が消化管に詰まると、消化管うっ滞(毛球症)という症状を引き起こす原因となります。こちらは定期的なブラッシングで予防に取り組めます。

生殖器

子うさぎの頃はオス、メスの生殖器はよく似ているため、見分けは困難です。生後3か月頃に生殖器を左右から押すと、オスは円筒状になった陰茎を、メスは縦に割れた外陰部をそれぞれ確認できるようになります。うさぎの性別にこだわる場合は、生後3か月以降のうさぎを選ぶとよいでしょう。

なお、高齢になったオスは精巣腫瘍や精巣炎、5歳以上になったメスの多くは子宮の病気にかかりやすい傾向にあります。メスのうさぎを飼うときは避妊手術を受けさせた方がよいでしょう。避妊手術は生後6か月~1歳くらいの間に受けるのが理想とされています。

うさぎが手を舐めるのはなぜ?

手を舐めるうさぎ

うさぎをよく観察していると、飼い主の手や床などさまざまなものを舐めている様子がうかがえます。食べ物でもないのになぜ舐めるのでしょうか。その理由は大きく分けて3つあります。

まず一つ目は愛情表現です。うさぎが飼い主の手や顔を舐めるのは、自分の家族や仲間だと思っていることの証しといわれています。

二つ目は匂いが気になっているサインです。いつもと違う匂いが飼い主の服や床などに付いている場合、舐めて確かめようとすることがあります。

三つ目は餌などの督促です。もっと食べたいとおねだりするとき、あるいはもっと撫でてほしいと甘えるときに飼い主の手や指を舐めることがあります。

このように総じて悪い意味ではありませんが、一方で嫌がっている意思表示として手を舐める場合もあるようです。例えば長時間グルーミングをしているときに手を舐められたら「やめて」のサインかもしれません。それ以上しつこくするのは控えましょう。

うさぎの手足は骨折しやすい?対応方法を紹介

走るウサギ

前述のとおり、うさぎはいざというときに身軽に動けるよう、薄くて軽い骨をしています。体重に占める骨の重さはおおよそ8%とされており、鳥とほぼ同程度です。

そのぶん外部からの衝撃に弱く、犬や猫に比べると骨折のリスクは高いといわれています。高い所から落下したり、何かに激しくぶつけたりときはもちろん、激しく暴れて空中を蹴ったときに骨折することもあるほどです。

うさぎの骨折頻度に性別や年齢は関係なく、若くても骨折します。うさぎの骨折は人間とは異なり、ギプスや添え木などは使わずに自然治癒させるケースが多いですが、自己判断は禁物です。手術が必要になるケースもゼロではないので、早めに病院へ連れていきましょう。

まとめ

寝るうさぎ

うさぎの手足は犬や猫よりも軽いぶん、骨折しやすい傾向にあります。うさぎを飼うのなら普段のスキンシップや取り扱いに十分注意しましょう。

また、うさぎを飼うときは基礎知識を押さえるだけでなく、餌やグッズなど必要なものをきちんと整えておくことも大切です。

ペット用品の総合メーカー「マルカン」では、うさぎの飼育に必要な餌やグッズを取り揃えています。うさぎを飼うことを検討されている方は、マルカン公式サイトの「うさぎ・モルモット・チンチラ・デグーの製品一覧」の商品がおすすめです。

また、PAGEでは、うさぎの種類や飼い方についての情報を発信しております。
うさぎの種類について気になる方はぜひ「うさぎの種類」をチェックしてみましょう。

この記事をシェア