【専門家監修】猫のアレルギーとは?原因や自宅でもできる対策を解説
公開日:2023.12.04 更新日:2024.02.15
愛猫がしつようにグルーミングをしたり、体をかゆがったりしていたら、もしかするとアレルギー性皮膚炎かもしれません。 もしも愛猫がアレルギーを発症したら、どのような対処をすればよいか分からない方もいるのではないでしょうか。猫のアレルギーは、日々の生活で対策することにより、猫に負担をかけずに症状の緩和が可能です。 この記事では、猫のアレルギーの原因や自宅でできる対策を分かりやすく解説します。アレルギーを抑える低アレルギーフードも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
CONTENTS
記事の目次
猫のアレルギーとは
猫のアレルギーとは、猫自身が発症するアレルギーのことです。猫の毛やフケが原因で発症する、人間の猫アレルギーではありません。猫のアレルギーは、主に皮膚のかゆみや炎症が生じるのが特徴です。 猫のアレルギーは食物アレルギー、ノミアレルギー、アトピー性皮膚炎の3つに大別されます。
食物アレルギー
猫の食物アレルギーは、食物中に含まれる特定の物質(アレルゲン)に対し発症します。主なアレルゲンは、肉や魚などのタンパク質と穀物で、具体的な品目は次の通りです。
・タンパク質:牛肉、鶏肉、豚肉、ラム肉、魚、牛乳、生卵
・穀物:小麦、穀物、大豆
猫が食物アレルギーを発症すると、かゆみや皮膚の炎症といった皮膚疾患のほか、下痢や軟便などの消化器系の症状が現れることもあります。 なお、猫の食物アレルギーの原因は現時点では特定されていません。
本来、害のないはずのタンパク質を免疫細胞が敵とみなし、攻撃することで皮膚や消化器官に炎症を引き起こしているのではないかと考えられています。
ノミアレルギー
猫のノミアレルギーは、ノミの唾液に含まれる成分に対するアレルギー反応です。ノミは暖かくなると活動的になるため、猫のノミアレルギーは夏から秋にかけて増加します。ただし、暖房の効いた室内では冬でもノミは繁殖するため注意が必要です。
猫がノミアレルギーを発症すると、腰部と下半身の広い範囲に強いかゆみを伴う赤いブツブツやかさぶたができます。ノミから吸血された部位が上半身であっても、腰部や下半身にアレルギー症状が現れやすいのが特徴です。
アトピー性皮膚炎
猫のアトピー性皮膚炎は「環境アレルギー」とも呼ばれる、食物・ノミ以外のハウスダストや花粉、カビなどの物質が原因で起こる皮膚炎のことです。アトピー性皮膚炎は、獣医師により感染症や食物アレルギー・ノミアレルギーの可能性が除外されたときに疑われます。
猫のアトピー性皮膚炎は、3歳以下の猫に発症しやすく、完治が難しいと報告されています。 発症すると皮膚の炎症や過度なグルーミングによる脱毛がみられるので注意が必要です。
猫のアレルギーの原因は?
猫のアレルギーの原因は、食物・ノミ・ハウスダストなどのアレルゲン物質であることが分かっていますが、アレルギーが起こる仕組みは研究途上でまだ解明されていない部分が多いのが現状です。
例えば、人や犬では皮膚バリア機能の低下が免疫機能に異常をきたし、アレルギーの原因のひとつとなっているのではないかと注目されています。しかし猫は、皮膚バリア機能の低下がアレルギーを引き起こすかどうかまだ分かっていません。
いまだ不明な点が多い猫のアレルギーですが、アレルギー反応を抑える薬や対処法はありますので、根気よく付き合っていくことが重要です。
猫のアレルギーへの対策
猫にアレルギー性皮膚炎の疑いがある場合は、速やかに獣医師の診断を受けましょう。獣医師にアレルゲンを特定してもらうことで、どのような対策を行えばよいかが分かるからです。
しかし猫のアレルギーは完治するのが難しく、生涯付き合っていかなければなりません。ここからは自宅でもできるアレルギー対策を解説します。
フードを見直す
食物アレルギーの場合、フードを穀物の割合が少なく、肉や魚が主原料の低アレルギーフードに変えてみることをおすすめします。猫は本来、肉食で穀物を食べる習性がないため、穀物がアレルゲンとなりやすいからです。
猫は警戒心が強く、急に新しいフードに切り替えると食べてくれないこともあります。また、新しいフードに消化器官が慣れずに下痢や嘔吐することも少なくありません。
低アレルギーフードを切り替えるときは、元のフードに10%程度から少量ずつ混ぜて与え、1週間ほどかけて徐々に慣れさせましょう。 警戒心が強い猫は、少量ずつ混ぜてもまったく食べないこともあります。この場合は、無理強いせず普段食べているフードに戻しましょう。
ノミ駆除薬を使う
ノミアレルギーと診断されたら、獣医師から処方されたノミ駆除剤を使用しましょう。ノミ駆除剤は、猫の皮膚に直接滴下する外用薬と内服薬の2種類があります。
滴下タイプの外用薬は、首筋または肩甲骨あたりの皮膚に液剤を垂らすことで、薬剤が皮膚に浸透します。少量の滴下で、ノミの成虫・幼虫・卵の駆除が可能です。
内服薬は即効性があるのが特徴で、早く効くため、猫のかゆみや感染症リスク低減につながります。 また滴下タイプの場合、投薬直後のシャンプーやスキンシップは控える必要がありますが、内服薬ならばこれらの制限はありません。
定期的にシャンプーをする
猫にアレルギー性皮膚炎の症状が見られたら、定期的にシャンプーをしましょう。猫は自分で体を舐めてセルフグルーミングをするため、基本的にシャンプーは不要です。 しかし皮膚炎やかゆみ、脱毛が見られるときは、皮膚の汚れを洗い流し清潔にする必要があります。
猫にシャンプーをするときの注意点は以下の通りです。
・シャンプーの頻度は獣医師に確認する
・毛玉防止のため、ブラッシングを行う
・シャンプー後は、生乾きにならないよう被毛をしっかりと乾かす
・皮膚の状態が悪い、ひどく暴れるといった場合は無理矢理行わず、動物病院併設のサロンなどに相談する
サンライズの低アレルギーフードが健康的な生活をサポート
愛猫が食物アレルギーであると獣医師から診断されたら、普段食べさせているフードを低アレルギーフードへ変更し様子を見ましょう。
マルカングループのサンライズでは、穀物を使用しない低アレルギーフードの取り扱いが豊富です。ここからは、サンライズの低アレルギーフードのラインナップをご紹介します。
ナチュラハ「グレインフリー」
ナチュラハ「グレインフリー」は、魚を主原料としたグレインフリー(穀物不使用)のウエットフード です。猫に必要な栄養素がたっぷり含まれている総合栄養食 なので、毎日の主食として与えられます。
魚のうま味を封じ込めたゼリー仕立てが特徴で、水分含有量が多いためアレルギーによって消化器官が弱っている猫にもおすすめです。 また保存料・酸化防止剤・着色料を使用しておらず、栄養不足を補うためにビタミン・ミネラルが含まれています。
ナチュラハ「グレインフリー シニア用」
ナチュラハ「グレインフリー シニア用」は、シニア猫のために作られたグレインフリー(穀物不使用)ウェットフードです。魚が主原料で、シニア猫が食べやすいよう成猫用に比べて具材が小さくなっています。
運動不足で肥満や便秘になりやすいシニア猫 のために、カロリーや食物繊維が調整されているのも嬉しいポイントです。またシニア猫は加齢により股関節に炎症が生じ、歩きづらくなることもある ため、関節炎ケアとしてグルコサミン・コンドロイチンを配合しています。
ナチュラハ「グレインフリー チキン」
ナチュラハ「グレインフリー チキン」は、チキンを第一主原料としたグレインフリー(穀物不使用)のドライフードです。また肉食の猫のために動物性原料が50%以上含まれています。保存料・酸化防止剤・着色料は無添加なので、添加物が気になる方も安心です。
ナチュラハ「グレインフリー チキン」は、成猫用・避妊/去勢後猫用などタイプ別に5種類 あります。
ナチュラハ「グレインフリー Premium」
ナチュラハ「グレインフリー Premium」は良質なタンパク質を含んだグレインフリー(穀物不使用)のウェットフードです。主原料はフレークにしたまぐろやかつおで、フードの種類によってフォアグラやカニ、つばめの巣など厳選された贅沢素材をトッピングしています。
愛猫においしい食事を楽しんでもらいたい飼い主のためのフードです。発色剤・参加防止剤・着色料を使用していない総合栄養食というのも魅力のひとつといえます。
まとめ
猫のアレルギーは食物アレルギー・ノミアレルギー・アトピー性皮膚炎の3つに大別されますが、いまだ発症のメカニズムや原因は明らかになっていません。そのため猫のアレルギーは完治が難しく、アレルギーを抑える対策が重要といえます。
対策の一例として、フードの見直しやノミ駆除薬の投与・服用、定期的なシャンプーなどが挙げられます。
ペット用品の総合メーカー「マルカン」では、猫におすすめのフードをはじめ、さまざまな商品を豊富にご用意しています。ぜひマルカン公式サイトの「猫の製品一覧」をご参考にしてみてください。
また、PAGEでは、猫について、特徴や飼い方についての情報を発信しております。
猫の特徴、飼い方について気になる方はぜひ「猫の特徴や飼い方」をチェックしてみましょう。
愛玩動物飼養管理士・老犬介護スペシャリスト
鍵山 由香
トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。
トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。
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