うさぎは繁殖力が強い?発情期に見られる行動や注意点を解説

公開日:2024.01.15 更新日:2024.02.15

うさぎのかわいらしい赤ちゃんに会うために、オスとメスを一緒に飼って、繁殖させたいと考える飼い主もいるかもしれません。 しかし思わぬ事態を避けるためには、うさぎの繁殖力の強さを理解しておく必要があります。そこで本記事では、うさぎの繁殖力や繁殖させるときの飼育方法、注意点などについてまとめました。 反対に繁殖させたくないときの飼育方法にも触れているので、ぜひチェックしてみてください。

CONTENTS

記事の目次

うさぎの繁殖力について

母うさぎに寄り添う子うさぎ

ペットとしてうさぎを飼う場合は、繁殖力の強さを理解した上で飼育環境を整えましょう。オスとメスを同じケージに入れると、繁殖し続けてしまう可能性があるため注意が必要です。

うさぎは1年間に6回~8回ほど出産できる、繁殖能力の高い動物です。交尾をしたら高確率で妊娠し、一度に4匹~10匹の子うさぎが産まれます。

繁殖力が強いのは、うさぎが野生下では弱い立場にあるためです。1匹でも多く生き残るために、なるべくたくさんの子孫を残したいという本能が関係しています。

うさぎの繁殖時期に見られる主な行動

あごをなでられるうさぎ
うさぎは発情期になると、オス・メスともに縄張り意識が強くなります。また、いつもとは異なる、繁殖時期特有の行動も見られるでしょう。

ここではマーキングやマウンティングなど、発情期によく見られる行動について解説しました。繁殖を考えている方も反対に防ぎたい方も、発情期の行動をチェックしておきましょう。

【主にオス】マーキング

発情期のオスによく見られるのが、マーキングです。自分の縄張りを主張するために、ケージの内外を問わずおしっこをつけたり、体をこすりつけたりします。

うさぎのマーキングには、スプレー行動やチンニングなど、いくつかの種類があるため、確認してみましょう。

スプレー行動 ・おしっこを飛ばす
・ジャンプしながらおしっこをする
チンニング ・臭腺のあるあごの下をこすりつける
・身の回りの物や飼い主ににおいをつける
フンへのにおいつけ ・肛門腺から出る分泌物でフンに独特のにおいをつける
・トイレ以外の場所にフンをばらまく

【主にオス】マウンティング

マウンティングとは交尾するときに見せる、オスがメスに腰を振る行為です。発情期になるとメスに対してだけでなく、ぬいぐるみや飼い主の手・足にしがみついて行うこともあります。

放置すると攻撃的になったり、飼い主より上の立場だと認識したりする可能性があるため、注意が必要です。マウンティングの体勢になったら、すぐケージに戻して気をそらしてあげましょう。

【メス】偽妊娠

うさぎのメスは、発情期の終わりに偽妊娠するケースがあります。偽妊娠になると、妊娠していないのに、おっぱいが張ったりおなかの膨らみが見られたりするでしょう。

また出産に備えて、自分の毛をむしって巣作りし始めることもあります。このときのメスは、神経質になりやすいため、自分の毛をむしりすぎていないか気にかけてあげることが大切です。偽妊娠の症状は15日ほど続き、自然に治まります。

【オス・メス】スタンピング(足ダン)

うさぎのスタンピング(足ダン)とは、後ろ足を踏み鳴らす動作です。うさぎがイライラしているときや危険を知らせるときなどに見せる行動として知られていますが。発情期のうさぎは興奮しやすく、いつもより頻繁にスタンピングをします。

大きな音が出ることもあるため、アパートやマンションなどでは防音シートやマットをケージの下に敷いて、騒音対策をするとよいでしょう。

【オス・メス】その他

うさぎの発情期に見られる主な行動として、以下もチェックしてみましょう。
・落ち着きがなくなる
・神経質になる
・攻撃的になる
・甘えてくる
・食欲がなくなる

発情期にどのような行動をするかは、個体差もあります。いつもと違う動きや様子が見られるなら、発情期のサインかもしれません。

うさぎを繁殖させるときの飼育方法

交尾しているうさぎ

うさぎを繁殖させる場合には、ストレスや負担をかけないように注意が必要です。ここでは交尾させるタイミングや、お母さんうさぎ・子うさぎの体調管理についてまとめました。

繁殖させるときの飼育方法を確認して、飼い主として愛情のあるケアを心がけましょう。

交尾させるタイミング

1年を通して妊娠できるうさぎですが、子育てに向いているのは気候のよい時期です。妊娠から出産まで28日~36日かかるので、逆算して交尾のタイミングを決めましょう。

うさぎは性成熟の早さも特徴的で、「オスなら生後6か月~10か月」「メスなら生後4か月~8か月」から繁殖できます。しかし、若すぎると体に負担がかかるため、体が十分に成長するまで繁殖は避けたほうがよいでしょう。

交尾させる前に、子うさぎをどうするのかも考えておきます。自分で育てるのか、もらい手を探すのか、何匹生まれても対応できるように準備しましょう。一度に10匹以上生まれるケースもあるため、無計画な繁殖はおすすめできません。

お母さんうさぎの体調管理

妊娠中のお母さんうさぎは、胎内で子うさぎに栄養や水分を与えます。そのため普段以上に、食事や水分補給への配慮が必要です。主食の牧草を、チモシーから栄養価の高いアルファルファにするのもよいでしょう。

出産5日~7日前には、巣箱に敷き牧草を用意します。お母さんうさぎが安心して出産・育児ができるように、環境を整えてあげましょう。

子うさぎの体調管理

生まれて間もない子うさぎは、いくつか注意することがあります。まずはお母さんうさぎの母乳を飲めているか、おなかの膨らみで確認しましょう。ただし不用意に素手で触るのは、ストレスになるためおすすめしません。

生後20日~30日ほどで餌を食べ始めるので、いつでも食べられるように牧草を入れておき、成長に合わせてうさぎ用のベビーフードも与えます。「餌が減っているか」「おしっこやうんちは適切な量か」を定期的にチェックしましょう。

目が開いて活動的になってきたら、サークル内に出して運動させたりトイレトレーニングを始めたりします。もし体調面や飼育方法で気になることがあれば、かかりつけ医に相談してみましょう。

うさぎを繁殖させるときの注意点

2匹の子うさぎ

うさぎを繁殖させる前に、お世話の大変さや、近親交配による奇形のリスクについても、事前に考えておきましょう。

きちんとした知識を持つことは、大切な命を預かる飼い主の義務でもあります。生まれてくる子うさぎが快適に暮らせるよう、正しい知識を学び、適切な環境を整えましょう。

お世話が大変になる

うさぎを繁殖させる場合には、「子うさぎを飼育できるか」をしっかりと考えなければなりません。時間の余裕があるか、十分なスペースはあるか、飼育用品の購入や動物病院にかかる費用は用意できるかなども事前に検討しましょう。

もし適切なお世話ができない状況になると、栄養失調になったり多頭飼育崩壊になったりする恐れもあります。大切な命を守るためにも、安易な繁殖は避けましょう。

うさぎ同士で縄張り争いが起きる

繁殖後に「親子やきょうだいを同じスペースで育てよう」と、考えるかもしれません。しかし相性が悪いと、けんかをしたりストレスの原因になったりします。

うさぎは群れで暮らす習性を持っていますが、縄張り意識の強い生き物です。そのため、複数のうさぎを同じスペースで飼うことはおすすめできません。

普段は仲がよくても、環境の変化や性成熟を迎えたことにより、けんかする可能性もあります。その場合には、飼育スペースの分離が必要だと覚えておきましょう。

近親交配による奇形のリスクがある

親子やきょうだいで交尾すると、近親交配により奇形のある子うさぎが生まれやすくなります。飼育スペースを確保できないなどの理由で同じケージに入れると、近親交配のリスクが高まるため注意が必要です。

また、普段は別のケージで飼育していても、室内で一緒に遊ばせたときに交尾する可能性もあります。近親交配によるリスクを避けるためにも、オスとメスが同じ空間にいないように注意しましょう。

うさぎを繁殖させたくないときの飼育方法

「複数のうさぎを飼育しているが繁殖させたくない」という飼い主もいるでしょう。繁殖を防ぐには、オスとメスを別々に飼うか、去勢・避妊手術を受けさせるといった選択肢があります。適切な方法で飼育するために、詳しく見ていきましょう。

オスとメスを別ケージで飼う

オスとメスのうさぎを飼う場合には、望まない繁殖を防ぐために別々のケージに入れます。またうさぎは、性成熟の早い動物です。メスが性成熟を迎える生後4か月ごろからは、オスとは一切触れ合わせないようにします。

ケージから出すときも、オスとメスは別々の空間で遊ばせましょう。どちらか1匹ずつ出して遊ばせると、気付かないうちに交尾するのを防げます。

避妊・去勢手術をする

うさぎに去勢・避妊をすると、繁殖を気にせずに飼育できます。生後6か月から1歳の間が手術の適切な時期です。ただし手術をする場合には、全身麻酔により体に負担がかかったり、体重が増えやすくなったりといったリスクがあります。

去勢・避妊手術のメリットとしては、発情期に起こるトラブル行動が改善される、性格が落ち着く子もいる、子宮や卵巣、精巣や前立腺の疾患予防などが挙げられるでしょう。

特にメスは、3歳以上になると子宮疾患にかかるリスクが高まります。病気を予防するという観点では、避妊手術を検討するのも方法のひとつです。

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参考:『バニーグレード(フード)』

まとめ

人からにんじんを与えられるうさぎ

「ペットのうさぎに子うさぎを産ませたい」と思っても、気軽に繁殖させてはいけません。お世話の手間や飼育にコストがかかるだけでなく、思わぬ繁殖による飼育崩壊といったリスクもあるからです。

それでも繁殖させる意志があり、飼育環境も整っている場合には、うさぎの健康面に考慮しながら準備しましょう。母うさぎや子うさぎの飼育においては、栄養バランスのよい食事も重要です。

マルカンでは、うさぎの健康をサポートするフードを多数ご用意しております。種類も豊富なので、成長段階に合わせて選んでみてください。

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