【専門家監修】大型犬を飼う前に|種類ごとの 特徴や飼育用品を確認しよう!
公開日:2024.01.16 更新日:2024.01.23
大型犬を家族に迎え入れようと考える方の中には、事前に必要な準備や飼育にかかる費用などが気になる方もいるのではないでしょうか。 大型犬の種類は豊富で、犬種によって性格が異なります。また、飼う前に知っておきたいポイントを押さえることで、大型犬を迎えたときに慌てずに済むでしょう。 そこでこの記事では、大型犬の性格の特徴や飼育にかかる費用、注意点を解説します。おすすめの飼育グッズも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
CONTENTS
記事の目次
大型犬の特徴
大型犬はペットとしてはもちろん、盲導犬や警察犬など、使役犬として活躍する賢いイメージを持つ方も多いでしょう。具体的に、大型犬とはどのような犬を指すのでしょうか。ここでは、大型犬と呼ばれる犬の特徴を紹介します。
サイズ・体重
犬のサイズ分けは体重で行われるのが基本です。アメリカンケネルクラブでの大型犬の指標は、標準体重が約20キログラム~40キログラムで、40キログラムを超えると超大型犬に分類されます。
しかし、日本のジャパンケンネルクラブでは、大型犬の基準は明記されていません 。また同じ犬種であっても、性別で比較した場合、オスの方がやや体重は重く体も大きい傾向があります。
性格
大型犬の性格には個体差があるものの、多くの場合は穏やかで友好的です。飼い主が出すコマンドを覚え、指示に従って行動する賢さもあります。警察犬や盲導犬として活躍する大型犬が多いのもこのためです。
しかし穏やかで賢い性格である一方、体が大きく力も強いため、しっかりとしたしつけが必要といえるでしょう。
寿命
一般社団法人「ペットフード協会」による2022年の調査では、中・大型犬の平均寿命は13.81歳で、全体平均の14.76歳に比べると短い数値です。
大型犬は小型犬に比べて成長スピードが早く、生後1年で人間の12歳に相当するといわれます。しかし、1歳を過ぎると成長スピードはやや緩やかになるのが特徴です。
大型犬の平均寿命が短い原因は明確にはなっていませんが、体の大きさに比べて臓器が小さく、日常生活で負担がかかりやすいからではないかとの説があります。
初心者でも飼いやすい大型犬の種類 3選
初めて大型犬を家族に迎える際、どのような犬種を選べばよいのか迷う方も多いでしょう。そこで、初心者でも比較的飼いやすい大型犬の種類を3つ紹介します。
ただし、大型犬は力も強く、体も大きいのが特徴です。たとえ飼いやすい犬種であっても、しっかりとしたしつけが必要な点は覚えておきましょう。
1.ゴールデン・レトリーバー
イギリスが原産地のゴールデン・レトリーバーは、愛情深く、人にも犬にもフレンドリーな性格です。
ゴールデン・レトリーバーは、ハンターが撃った水鳥をくわえて取ってくる「鳥猟犬」として使役していた犬種です。「回収する」という意味「retrieve」から、レトリーバーと名付けられました。
運動能力が高くて活発である一方、興奮しやすい面もあります。学習能力も高いので、しっかりしつけを行うことで、子どもがいる家庭でも安心して飼うことができるでしょう。
2.ラブラドール・レトリーバー
ラブラドール・レトリーバーは知性と順応力に優れ、盲導犬や麻薬捜査犬として活躍することの多い犬種です。穏やかでしつけもしやすいため、初めて犬を飼う方にも向いている犬種といえるでしょう。
ラブラドール・レトリーバーは、ゴールデン・レトリーバーと同じく、猟を助ける鳥猟犬として使役していました。はっ水性が高く表面が硬い短い被毛は、猟をしていた名残です。
大柄で番犬向きに見えるラブラドール・レトリーバーですが、社交性が高く、人好きな性格をしています。そのため、番犬向きとはいえません。
3.ダルメシアン
白に黒の斑点模様が特徴のダルメシアンは、外交的かつ友好的な性格が持ち味です。起源は解明されていないものの、クロアチアのダルメシア地方が原産の犬種で、愛情が深く、慣れるとよく甘えます。
子どもやお年寄りのいるご家庭でも飼いやすい大型犬といえるでしょう。走って遊ぶのが好きなダルメシアンは、ボール投げなどで一緒に遊んだり、十分な運動をさせたりすると喜びます。その一方で、頑固な一面もあるため、しっかりとしたしつけが必要です。
大型犬を飼う前のチェックポイント
大型犬を家族として迎える場合は、事前にチェックしておきたいポイントがいくつかあります。飼育スペースの確保や飼育にかかる費用などをしっかり把握した上で飼うことで、「こんなはずではなかった……」と焦らずに済むでしょう。
愛犬との充実した暮らしを実現するために確認しておきたいポイントを、以下にまとめました。
広い飼育スペースを確保する
近年、大型犬を室内で飼うケースが増えている一方で、限られた空間での生活により犬が運動不足に陥る傾向があります。活発に遊ぶのが好きな大型犬にとって、運動不足はストレスの大きな原因です。
理想は庭付きの戸建てでの飼育ですが、マンションなどの集合住宅の場合は、最低でも犬のために4畳以上のスペースを確保しましょう。トイレのスペースは体の1.5倍ほど、ベッドやキャリー は横になって眠っても余裕があるサイズが望ましいといえます。
飼育にかかる費用を把握する
飼育に関わる年間費用は、小型犬よりも大型犬の方が高くなる傾向があります。飼育費用の中でも突出して差が出るのが、食費、トレーニング、しつけ費用です。特に食費は、小型犬の倍程度の費用がかかります。
また大型犬は、ペットホテルやトリミングを利用する際、小型犬よりも金額が高く設定されていることが多いことも覚えておきましょう。
運動・散歩の時間を捻出する
外で思い切り走り回るのが好きな大型犬をペットとして飼う場合、十分な運動時間の確保をし、ストレスをためない工夫が必要です。運動後、口を開けて「ハッハッ」と短く呼吸していれば、運動量は適切といえます。
散歩の目安は1時間~2時間、3キロメートル~4キロメートル程度の距離を、1日2回に分けて行いましょう。散歩は「ゆっくりと長い距離を歩く」のがポイントです。
放し飼いやノーリードは危険なので、思い切り走らせたい場合は大型犬可能なドッグランを利用しましょう。
しつけの必要性を理解する
家族と愛犬が互いにストレスなく生活するには、しつけも重要です。基本的な「待て」「おいで」のしつけは、事故やケガの予防にもつながります。飼い主に寄り添いながらゆっくり歩かせる「リーダーウォーク」を教えると、散歩のときに安心でしょう。
子犬の頃のかみ癖をそのままにしていると、成犬になったときにケガの原因となり、飼い主とのよいコミュニケーションが築けなくなります。家具が傷つくこともあるため、子犬期からしっかりとしつけしておくとよい でしょう。
大型犬の飼育用品一覧
大型犬を迎えるにあたり、ケージやリード、トイレ用品など、事前にそろえたいものがいくつかあります。飼育用品は、年齢や生活環境に合わせて選ぶのが大切です。
また力の強い大型犬でも耐えられる丈夫さも重要といえます。ここでは、大型犬を飼う前にそろえたいグッズと、選び方のポイントを見ていきましょう。
ケージ・サークル・クレート
室内飼いの犬のしつけには、ケージが役立ちます。いたずら予防になる他、トイレトレーニングにも有効です。大型犬は力が強いため、頑丈な作りのものを選びましょう。
円形のサークルは、しつけ用としてはもちろん、野外で遊ぶときにも便利です。老犬の徘徊が止まらないときの対応として設置すれば、ケガの予防にもつながります。
キャリー は、車での移動時やベッド代わりに使用するものです。大型犬の場合、体高より5センチメートルプラスした高さを選びましょう。奥行きは伏せをした状態で、指先から尻尾の付け根と同じ幅が理想です。
首輪・リード
首輪は、耐久性の高さとサイズ感が適切なものを選びましょう。散歩用のリードは、1.5メートルほどの長さがおすすめです。幅広サイズやロープタイプを選べば、力の強い大型犬が引っ張っても耐えられるでしょう。
トレーニングの際は、10メートル以上あるロングリードを使用します。巻き取り式の伸縮リードは、しつけができている犬のみ使用しましょう。しつけができていない大型犬の場合、思わぬ事故やトラブルにつながる可能性があるため注意が必要です。
トイレ用品
トイレトレーやペットシーツは大型犬の成犬時のサイズに合わせて選びましょう。子犬期であっても大きいトイレトレーのほうが練習しやすいメリットがあります。目安は、ワイドサイズのペットシーツが2枚入る大きさです。
足を上げておしっこをするオスの場合、L字のトイレトレーを選ぶとよいでしょう。壁におしっこがかかる心配がなく、室内を清潔に保てます。
服・レインコート
犬に服を着せるのは賛否両論ありますが、汚れを防いだり、地肌を保護したりする役割があり、犬によっては必要となる場合もあるでしょう。抜け毛予防にもなるため、エチケット対策として着せるケースもあります。
雨の日の散歩用に、レインコートを用意しておくと便利です。暑い時期の散歩では、触れるとひんやり冷たい接触冷感素材のマルカン「極冷お散歩ウエア」を着せると、心地よさが持続します。
また、冬の寒い時期には、マルカン「蓄熱着る毛布」がおすすめです。蓄熱保温生地がペットをやさしく包み込み、散歩を快適にします。
おもちゃ
かむ力の強い大型犬におすすめのおもちゃは、ロープを結んだものや、硬いボールなどです。丈夫なおもちゃを選ぶと、強い力でかんでも壊れにくく長持ちします 。
マルカンの「歯みが木LL」は、かむ欲求を満たすだけでなく、歯磨き代わりにもなるニームの木で作ったおもちゃです。愛犬の歯の健康を維持しつつ、口臭予防も期待できます。
その他(生活用品・ケア用品)
大型犬を迎える際、フードや水を入れる食器やお手入れグッズの準備も必要です。体高のある大型犬は、食事をする際に高さがないと食べにくいため、ご飯を食べるときに若干首を下げるくらいの高さの食器を選びましょう。
毛の生えている面積が広い大型犬は、被毛のお手入れグッズも必要です。特に長毛種の大型犬を迎える場合は、一般的なブラシに加え、抜け毛(アンダーコート)専用のスリッカーブラシをひとつ持っておくと便利でしょう。
まとめ
大型犬はその大きな見た目とは裏腹に、やさしく人懐こい犬種も多くいます 。しっかりとしたしつけが必要なことや、飼育にかかる費用、気を付けるべきポイントを理解しておくことで、愛犬との暮らしはより充実したものになるでしょう。
大型犬を迎える事前準備の際は、ぜひマルカンの公式サイトをチェックしてみてください。衛生用品やお手入れ用品、毎日の散歩を快適にする便利グッズなど、幅広い商品を取りそろえております。マルカンと一緒に、愛犬との楽しい毎日を送りましょう。
愛玩動物飼養管理士・老犬介護スペシャリスト
鍵山 由香
トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。
トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。
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