【獣医師監修】子犬に首輪はいつからつける?選び方や種類を詳しく解説!

公開日:2024.02.02 更新日:2024.02.08

犬を飼い始めたばかりの飼い主は、体の小さな子犬を見て「首輪はいつからつけるのだろう」と、ふと疑問を感じることもあるのではないでしょうか。 散歩に行くには首輪が必要なため、新しいおうちに慣れてから散歩デビューまでに首輪がつけられるようになっている必要があります。しかし、最初からすんなり首輪をさせてくれる子は多くありません。 そこで今回は、子犬が首輪をつける時期の目安と、子犬に適した首輪の選び方を紹介します。首輪とハーネスの違いや、首輪に慣れるための3つのステップも解説しますので、参考にしてみてください。

CONTENTS

記事の目次

子犬に首輪をつける時期の目安

首輪をくわえる子犬

子犬の首輪トレーニングは、散歩デビューよりも前に自宅内で始めるのがおすすめです。子犬が散歩を始めるのは、子犬期に打つ感染症予防のワクチンがひと通り終わる生後3か月ごろからが適しています。散歩デビューの時期は獣医師にアドバイスをもらいましょう。

散歩に首輪は必要なので、散歩デビューのときには首輪を嫌がらずにつけられる状態になっているのが理想です。

しかし、自宅に迎え入れてすぐに首輪の練習を始めるのは避けましょう。新しい環境に慣れ、飼い主との信頼関係をある程度築いてからトレーニングを始めるのがおすすめです。

子犬に適した首輪の選び方

緑色の首輪をつけている子犬

子犬には軽くて細いタイプの、着脱しやすい首輪がおすすめです。また、愛犬に負担がかからないよう、首周りに合うサイズであるかの確認は欠かせません。

初めての首輪選びはとても重要です。初めてつける首輪によっては、子犬が首輪を「嫌いなもの」と認識してしまう可能性があります。愛犬がスムーズにつけられる首輪を選びましょう。

初めての首輪は軽くて細いものを選ぶ

初めての首輪は子犬に負担のかからない、軽くて細いタイプを選びましょう。首周りに何もつけた経験のない子犬に、突然存在感のある首輪をつけると嫌がります。恐怖心を抱き、以降首輪を嫌がる可能性もあるでしょう。

子犬はまだ引っ張る力も弱いため、最初は1センチほどの細い首輪で十分です。1センチほどであれば、つけていないときと感覚は変わりにくいため、一度つければ気にせずに動いてくれる子が大半です。

デザインは装飾のないシンプルなタイプをおすすめします。装飾があると厚みや重みが出るため、初めて首輪をつける子犬には向きません。また素材は、フィット感がよい柔らかいタイプを選ぶとよいでしょう。

首周りに合うサイズを選ぶ

初めての首輪選びで欠かせないポイントは、愛犬に首輪のサイズが合っているかどうかです。サイズが合っていない首輪は嫌がるだけでなく、首周りに負担をかけます。小さ過ぎると首を圧迫し、大きいと散歩中にリードごと外れてしまうため、大変危険です。

首周りのサイズを測るときは、毛をかき分けて正確なサイズを確認しましょう。子犬が素直にメジャーでサイズを測らせてくれない場合は、飼い主の指でおおよそのサイズをチェックします。

最適な首輪のサイズは、首につけたときに、指が2本ほど入る大きさです。サイズの微調整が可能なタイプを選ぶとサイズ選びに失敗しません。

着脱しやすい留め具を選ぶ

おすわりをして首輪の着脱を待てるようになるまでには時間がかかります。最初は逃げようと暴れることもあるため、飼い主が着脱しやすい留め具のタイプを選びましょう。メジャーな首輪の留め具はベルト式とバックル式の2種類です。

飼い主が首輪の着脱に慣れていない場合は、バックルタイプを選びましょう。留め具がベルトのように差し込むタイプよりも、ひとつのアクションで着脱できるバックルタイプの方が、つける時間を短縮できておすすめです。

ただし、バックル式は子犬でも引っ張る力が強い大型犬の場合は注意が必要です。大きな力が加わると外れる可能性があるため、大型犬の場合は首輪に慣れたら早めにベルト式に変更しましょう。

子犬の首輪の種類

青い首輪

子犬の首輪の種類は、主にベルト式とバックル式の2種類です。2種類の中でも革や布など、素材が異なるさまざまなタイプがあります。また、引っ張ると締まる構造のハーフチョークやマーチンゲールは、しつけのための首輪です。

子犬の首輪は着脱のしやすさや見た目のよさ、つける理由など用途に合わせて選びましょう。

ベルト式

首輪で一番オーソドックスなのはベルト式です。パンツに合わせるベルトと同じように、穴に金具を差し込んで金属の留め具で固定します。ベルト式は力が加わっても外れにくいのが特徴です。

軽量な布や重厚感のある革など素材の種類が豊富なので、デザインにこだわりたい方にも向いています。また、金属を差し込む穴は複数開いているため、愛犬の成長に合わせて簡単に長さを調整できるところも魅力です。

しかし、ベルト式はワンアクションで着脱ができないため、首輪をつけるのに慣れていない飼い主や首輪をつけるのが苦手な犬にはあまりおすすめできません。

バックル式

着脱のしやすさで選ぶならバックル式です。バックル式はつけるときは差し込むだけ、外すときはつまむだけと着脱がワンアクションでできます。首輪に慣れていない子犬におすすめの種類といえるでしょう。サイズも首輪の長さの範囲内で自由に微調整できます。

ただし、バックル式は強い力が加わると外れる場合があるため、大型犬は注意しましょう。また、バックルはプラスチック製のため、割れることもあります。

子犬の時期はなんでもおもちゃにしてかんでしまうため、首輪はおもちゃとは別の場所に保管するのがおすすめです。

ハーフチョーク

ハーフチョークとは首輪の半分が革や布、残り半分が鎖でできているタイプの首輪です。ハーフチョークはしつけのための首輪で、引っ張ると首輪が締まります。全体が締まるフルチョークよりも締まりが緩いため、子犬でも使用できる構造です。

しかし、常用すると子犬に負担がかかります。あくまで落ち着いて散歩ができるようになるまでの、一時的な使用にとどめましょう。

マーチンゲール

マーチンゲールも引っ張ると締まるタイプの首輪です。全体が布製で、ハーフチョークのように鎖部分がないため、ソフトな肌あたりが特徴といえるでしょう。小型犬の子犬をしつけるには、マーチンゲールがおすすめです。

犬にも人間と同じように、金属アレルギーを発症する子もいます。金属に弱くハーフチョークが使えない場合は、マーチンゲールを試しましょう。ただし、マーチンゲールも引っ張り癖が直ったら通常の首輪に切り替えるのがおすすめです。

犬の首輪とハーネスはどう違うの?

首輪は子犬の首周りに装着するものであるのに対し、ハーネスは胴周りに装着するものです。子犬が散歩中にリードを引っ張った場合、首輪は首に負担が集中します。一方、ハーネスは胴体を包み込むような形状のため、負担がかかる場所が分散されるのが特徴です。

気管への負担に気をつけなければいけない短頭種の犬種にはハーネスを選びましょう。ハーネスは力の負担が分散されるため、首への負荷が軽減できます。首輪を使用する際にはできるだけ顎の近くに来るように装着することで、気管の圧迫を防げるでしょう。

首輪でもハーネスでも、散歩に出た際に飼い主のそばを歩くことが楽しいという習慣をつけるトレーニングをすることで、散歩中に急に走り出したり引っ張ったりする行動を減らせます。

リードが緩んだ状態で飼い主の隣を上手に歩いている際に、「いいこ」などと声をかけておやつをあげると飼い主を意識しながら歩けるようになり、リードを引っ張り過ぎずに散歩ができるようになるでしょう。

子犬が首輪を嫌がる場合の3つのステップ

おすわりをしている子犬

子犬が首輪を嫌がる場合は、次の3ステップで徐々に慣らしていきましょう。子犬のしつけは、最初のステップが重要です。早くしつけようと焦って段階を踏まずに進めると、首輪に対して恐怖心や嫌悪感が増すため気をつけましょう。

1.首を触られることに慣れさせる

まずは、抵抗なく首に触れられるように慣らしましょう。犬が首輪を嫌がる理由のひとつに、首周りを触られる行為に抵抗があることが挙げられます。おやつをあげたり褒めたりしながら、ゆっくり時間をかけて慣らしていきましょう。

触られることに慣れてきたら、すぐに外せるリボンやバンダナを首輪の代わりに首に巻き、少しずつ慣らします。抵抗感の強い子には、いきなり巻くのではなく首に乗せるだけなど、愛犬の様子を見ながら無理なく進めましょう。

徐々に巻く時間を増やし、嫌がらずに巻けたら、しっかり褒めることも大切です。おやつをあげながら行うことで、新しい経験を楽しい経験に変えることができ、繰り返すうちに抵抗感もなくなるでしょう。

2.首輪そのものに慣れてもらう

次は首輪に触れさせて、首輪そのものに慣れてもらいましょう。すぐに首につけるのではなく、触らせてみる、首のあたりに乗せてみるなど様子を見ながら繰り返します。首につけるのは、首輪に抵抗がなくなってからです。

少しでも嫌がる様子があれば、ひとつ前の段階に戻します。これを繰り返しながら、首輪を首につけられるように導きましょう。

3.装着時間を徐々に増やしていく

首につけられるようになったら、徐々に装着時間を増やしていきます。最初は数十秒、数分から始めましょう。首輪をつけるタイミングは、食事中や遊び終わった後など、何かに集中しているときや満足しているときがおすすめです。

首輪をつけながら室内で過ごしたり一緒に遊んだりするなど、日常生活に取り入れていきましょう。ここでも、嫌がらなければ褒めることが大切なポイントです。

まとめ

散歩中の子犬

子犬を家族に迎えたら、散歩デビューまでには首輪をつけられるように慣らすのがおすすめです。初めての首輪は、子犬が違和感を覚えたり負担を感じたりしないように、サイズの合った軽くて細いものを選びましょう。

マルカンでは散歩におすすめの便利グッズを販売しています。散歩には首輪やリードだけでなく、水分補給グッズやトイレ処理グッズも必要です。マナーを守って気持ちよく散歩できるよう、お出かけセットを用意しましょう。

PAGEでは、犬について、特徴や飼い方についての情報を発信しております。犬の種類、特徴、飼い方について気になる方はぜひ「大型犬の種類や飼い方」をチェックしてみましょう。

獣医師

石井 香絵

獣医師  石井 香絵

ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets 代表。 大学卒業後、動物病院で勤務し、アメリカNY州コーネル大学獣医学部Animal Behavior Clinic、キャンザス州のWestwood Animal Hospitalでの経験を経て、帰国。現在では犬猫の問題行動の治療を専門とし、セミナーや執筆活動、メディアなど幅広く活躍。動物専門学校講師を務める。主な著書に「愛犬をやさしく癒すクリスタルヒーリング」がある。

ペットの行動コンサルテーション Heart Healing for Pets 代表。 大学卒業後、動物病院で勤務し、アメリカNY州コーネル大学獣医学部Animal Behavior Clinic、キャンザス州のWestwood Animal Hospitalでの経験を経て、帰国。現在では犬猫の問題行動の治療を専門とし、セミナーや執筆活動、メディアなど幅広く活躍。動物専門学校講師を務める。主な著書に「愛犬をやさしく癒すクリスタルヒーリング」がある。

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