【専門家監修】子犬はお風呂にいつから入れる?入れ方の手順やポイントも解説
公開日:2024.02.02 更新日:2024.02.08
子犬をいつからお風呂に入れたらよいか分からず、迷う飼い主もいるのではないでしょうか。また、子犬をお風呂に入れる方法が分からず、愛犬がお風呂嫌いになってしまうのではと悩んでいる方もいるかもしれません。 子犬は室内飼いをしていても、顔やお尻周りが汚れやすいため、一定の頻度でお風呂に入れることをおすすめします。 子犬をお風呂に入れる手順や頻度を知っておけば、子犬を皮膚トラブルからも守れるでしょう。この記事では子犬をお風呂に入れる時期や方法、必要な物を解説します。
CONTENTS
記事の目次
子犬をお風呂に入れてよいのはいつから?
子犬をお風呂に入れてよい時期はいつからなのか、自宅とトリミングサロンの場合で見ていきます。
お風呂の場所 | お風呂に入れてよい時期 |
---|---|
自宅 | 生後2か月ごろに受ける1回目の混合ワクチン接種後 |
トリミングサロン | 混合ワクチン接種が3回終了し、2週間様子を見た後 |
生まれたばかりの子犬は、免疫力が低く体温調整もうまくできないため、自宅でもお風呂は避けましょう。トリミングサロンでは不特定多数の犬がいるため、免疫がついていない状態で連れていくのはおすすめできません。
免疫が定着する生後4か月後以降に連れていくようにしましょう。事前に子犬のトリミングも行っているかサロンに確認しておくことをおすすめします。
子犬をお風呂に入れる必要性
「散歩デビューもしていない子犬をお風呂に入れる必要はあるのだろうか」と思われる方もいるかもしれません。しかし清潔そうに見える子犬も、排せつ物やフードが被毛に付着することで、汚れや体臭が目立つようになるでしょう。
お風呂に入らずそのままにしてしまうと、においや皮膚炎のリスクが高まるので注意が必要です。ここからは、子犬をお風呂に入れる必要性を確認していきましょう。
毛には汚れがつきやすい
室内で過ごす子犬でも、日常生活で毛に汚れがつきやすくなります。特に汚れやすい部位は次の通りです。
汚れやすい部位 | 汚れる原因 |
---|---|
顔周り | 食べかすや目ヤニ |
お尻回り | 排せつによるウンチやおしっこ |
子犬の場合、ウンチやおしっこで毛に汚れがつきやすくなるので、こまめに拭いてあげましょう。
子犬の皮膚はデリケートなため、何度もこすったり強く拭いたりせず、やさしく拭き取ることが大切です。お風呂で汚れをふやかして落とすことで、子犬の皮膚への負担を軽減できます。
皮膚には皮脂汚れが蓄積する
犬は肉球以外汗をかきませんが、被毛の根本の皮脂腺から皮脂が分泌されます。古い皮脂汚れが蓄積すると、べたつきやかゆみなどの皮膚トラブルを招くため、お風呂で洗い流してあげましょう。
一方で、皮脂は肌の乾燥を防ぎ、雑菌の繁殖を防ぐ役割もあります。皮脂を落とし過ぎると乾燥肌になったり皮脂が余分に分泌されたりするため、お風呂の頻度は月1回~2回にとどめ、犬用の低刺激シャンプーで洗うようにしましょう。
汚れを放置するとにおいや皮膚炎の原因になる
子犬の汚れを放置するとにおいや皮膚炎の原因になるため、適度なお風呂が必要です。犬種や特性によっては皮脂の分泌が多く、かゆみやにおいの元となることがあります。目ヤニやウンチなどの汚れを放置すると、固まって取りづらくなることもあるでしょう。
このとき、ウェットティッシュなどで無理やり取ろうとすると、被毛を引っ張ってしまう可能性があります。お湯でふやかしながら取り除くことで、犬が痛みや不快感を覚えずにお手入れすることが可能です。
子犬のお風呂の入れ方
子犬は温度変化に弱いため、お風呂では短時間で効率よく洗う必要があります。また、お風呂を怖がったり暴れたりする子犬もいるかもしれません。
お風呂で慌てることがないようにするには、事前準備が大切です。ここからは子犬のお風呂の入れ方を手順ごとに詳しく解説します。
1.使用する道具を準備する
子犬が疲れてしまわないよう、お風呂は手際よく短時間で済ませましょう。そのためには、子犬をお風呂に入れる前に使用する道具を準備しておくのがおすすめです。
・ブラシ
・犬用のシャンプー
・犬用のリンス
・泡立てネットやスポンジ
・洗面器や洗いおけ
・犬用の吸水タオル
・ドライヤー
子犬のお風呂に必要な道具は、日頃のお手入れでも使える物なので、子犬を迎える前にそろえておくとよいでしょう。ブラシやシャンプー、リンスなどは犬専用の物が必要ですが、スポンジや洗面器などは人間と同じ物でも構いません。
2.お風呂の前にブラッシングをする
子犬をお風呂に入れる前に、体全体をブラッシングしましょう。ブラッシングをするとほこりや汚れを取り除けるので、シャンプーが皮膚や被毛になじみやすくなるからです。
被毛のもつれをほぐしておくことで、ぬれたときに固まるのも防げます。ブラッシングに使用するブラシは、犬種や被毛の長さに合わせて選択しましょう。
ブラシの種類 | おすすめポイント |
---|---|
スリッカーブラシ | 犬種を問わず使用できる。毛玉のある犬におすすめ。 |
ラバーブラシ | ゴム製のブラシで血行促進に効果が期待できる。短毛種におすすめ。 |
グローブ型ブラシ | 手袋型のブラシ。やさしくなでる感覚で使用できるので、ブラッシングが苦手な犬にもおすすめ。 |
3.全身をぬらす
お湯の温度を37度~38度のぬるま湯に調整して、子犬の全身をぬらしていきましょう。子犬は成犬よりも体温が上がりやすく、お風呂でのぼせてしまう可能性があるからです。
またシャワーの音や勢いで子犬がびっくりしてしまうこともあります。洗面器の中にお湯をためて入れるか、シャワーを体に近づけながらぬらしていくのがおすすめです。
4.泡立てたシャンプーで洗う
子犬の全身をぬらしたら、泡立てたシャンプーで洗います。事前にシャンプーを泡立てることで、子犬の皮膚や被毛の汚れが浮き上がりやすくなるからです。
犬用のシャンプーを使用し、泡立てネットやスポンジなどできめ細かい泡を作ります。子犬の体を洗うときは、爪を立てず指の腹を使ってやさしくマッサージするように洗いましょう。
5.しっかり洗い流す
シャンプーを洗い流すときは、顔回りから行いましょう。上から下へ洗い流すことで、子犬の皮膚の負担を軽減できるからです。
四肢の内側や脇、肉球の間はシャンプーが残りやすいので、念入りに洗い流しましょう。シャンプーが残ったままだと、かゆみや皮膚炎などの原因になるため、注意が必要です。
6.リンスをして洗い流す
リンスには外部の刺激から被毛を守り、毛並みをよくする役割があるため、なるべく使用しましょう。リンスもシャンプーと同じく、以下の手順で行います。
・子犬の体に直接塗布せずお湯で薄める
・リンスを子犬の体になじませる
・リンス使用後は残らないよう洗い流す
子犬の皮膚にリンスを直接つけると、毛穴のつまりをおこしたり油分が残ったりするため、皮膚トラブルにつながる恐れがあります。またリンスのすすぎ残しがあると被毛がべたついて、毛玉ができやすくなるため、しっかりと洗い流しましょう。
7.タオルで水分を拭き取る
子犬の全身を洗い流したら、タオルで被毛の水分を吸い取りましょう。タオルで拭くことで、ドライヤーを使う時間を短縮し、子犬の皮膚の負担を減らせます。
タオルを使うときは、ゴシゴシこすらずやさしく拭きましょう。毛量が多い犬種は犬用の吸水タオルを使うと、何度も繰り返し絞って使えるのでおすすめです。
8.ドライヤーで乾かす
タオルで水分を拭き取ったら、ドライヤーを使って乾かしましょう。生乾きのままにしておくと、体が冷えて体調を崩してしまったり、皮膚の細菌が繁殖して皮膚トラブルの原因になったりするからです。ドライヤーで乾かすときには、以下の点に注意しましょう。
・ドライヤーの熱で皮膚を傷めないよう体から30センチメートル程度離す
・よだれやけや涙やけを防ぐため顔回りも乾かす
・被毛の根元に風を当てて生乾きがないかチェックする
またドライヤーを振りながら使うと、乾かしムラが出やすくなります。乾かしムラをなくし、短い時間で子犬を乾かすには、マルカンの「トルネードエアードライヤー」や「おうちサロンドライヤールーム3WAY」がおすすめです。
子犬のお風呂の頻度は?
子犬のお風呂の頻度は、全身洗いは月に1回~2回程度、部分洗いは週に1回~2回程度を目安にしましょう。人間のように毎日子犬をお風呂に入れると、皮膚の潤いを保つために必要な皮脂まで洗い流され、皮膚炎や脂漏症の原因になるからです。
子犬のお尻や顔周りの汚れが気になるときは、全身洗いではなくぬれタオルなどでこまめに体を拭くだけでも清潔を保てます。子犬の犬種や体調に合わせて、適度な間隔でお風呂に入れるとよいでしょう。
子犬をお風呂嫌いにさせないポイント
子犬のころにお風呂嫌いになると、成犬になってお風呂のときに嫌がって暴れるなど、飼い主の負担が大きくなるかもしれません。
トリミングサロンに依頼する際にも、激しく暴れる犬は断られることもあります。 ここからは、子犬をお風呂嫌いにさせないポイントをご紹介します。
人の手に慣れさせる
子犬をお風呂嫌いにさせないためにも、まずは人の手に慣れさせましょう。いきなり水でぬらしてしまうと、子犬は何をされているのか分からず不安になり、お風呂に苦手意識を持ちます。
子犬を人の手に慣れさせるには、まず犬が触られて喜ぶ場所と嫌がる場所を理解しましょう。
《犬が触れられて気持ちよく感じる場所》
・耳の後ろ
・胸
・背中
《犬が触れられると嫌がる場所》
・頭頂部
・しっぽ
・鼻先
・脇腹
・足先
子犬に触れるときは、犬が喜ぶ場所をゆっくりとリラックスした状態でなでるようにします。子犬に人の手が触れても嫌がらなくなったら、ブラッシングをして徐々に慣れさせていきましょう。
お湯・シャワーに慣れさせる
お湯やシャワーに慣れさせることも大切です。子犬にシャワーを当てるときは、できるだけ体と密着させて水圧と音の大きさを抑えましょう。
シャワーヘッドにタオルをかぶせると、音が抑えられて落ち着くこともあるのでおすすめです。それでもシャワーを嫌がる場合は、タオルやスポンジにお湯を含ませて、足から胴へやさしく流してあげましょう。
力を入れてゴシゴシこすらない
子犬をお風呂嫌いにさせないよう、洗うときは力を入れてゴシゴシこすらないようにしましょう。犬の皮膚は薄いため、飼い主が力を入れてこすってしまうと、乾燥や肌トラブルの原因にもなりかねません。
子犬を洗うときは、シャンプーをしっかりと泡立て、指の腹でやさしく「泡で洗う」意識で洗いましょう。泡で洗ったら、シャンプーが残らないようしっかりとすすぎ洗いします。
難しいことはプロに頼る
子犬をお風呂嫌いにさせないよう、難しいことはプロに依頼しましょう。爪切りや汚れが固まっている場合など、飼い主がケアできないことを無理やり行うと、子犬がお風呂嫌いになるかもしれません。トリミングサロンでは、次のようなケアをしてくれます。
・お風呂
・カット
・爪切り
・耳掃除
またトリミングサロンは子犬のうちに慣れさせておくことで、成犬になった後も依頼でき、飼い主の負担軽減につながります。トリミングサロンには混合ワクチン接種が終了する生後4か月以降に連れていきましょう。
まとめ
室内飼いの子犬でも、ご飯や排せつにより顔やお尻周りの毛が汚れます。また皮脂汚れによって毛がべたついたり、においを発したりすることもあるため、定期的にお風呂で洗ってあげましょう。短時間で効率よくお風呂に入れるには、事前準備も重要です。
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愛玩動物飼養管理士・老犬介護スペシャリスト
鍵山 由香
トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。
トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。
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