【専門家監修】ドッグフード(犬の餌) の種類とは?選び方のポイントやおすすめも紹介

公開日:2024.01.18 更新日:2024.01.23

ドッグフード(犬の餌)の種類は豊富なので、どれを選べばよいのか迷う飼い主もいるのではないでしょうか。また犬がご飯を食べなくなり、どう対処すればよいか分からないといったケースもあるかもしれません。 ドッグフード(犬の餌)は種類によって栄養素が異なるため、選び方や与え方を誤ると犬の健康に影響が出る可能性があります。飼い主が犬のフードに関する知識を深めることは、愛犬の健康維持にも役立つでしょう。 この記事では、ドッグフード(犬の餌)の選び方やフードを食べなくなったときの対処法を解説します。

CONTENTS

記事の目次

ドッグフード(犬の餌)の種類

ドッグフード(犬の餌)が陳列されている棚

ドッグフード(犬の餌)の種類は豊富ですが、目的別・タイプ別・年齢別の3つに大別できます。

1種類で犬に必要な栄養バランスを満たすものから、補助的に与えるものまでさまざまです。愛犬に適切なフードを選ぶためにも、それぞれの種類について確認しておきましょう。

目的別の分類

ドッグフード(犬の餌)は目的に応じて、総合栄養食・療法食・間食・その他の目的食に分けられます。

種類 特徴
総合栄養食 水とともに与えるだけで犬に必要な栄養バランスを満たす主食用のフード
療法食 獣医師の指導の下、症状や治療目的に合わせて栄養成分が調整されたフード
間食 栄養補助としては必要ないが、しつけや運動、ご褒美として限られた量を与えることが意図されているフード
その他の目的食 「総合栄養食」「療法食」「間食」そのいずれにも該当しないフード

普段の食事は、成長段階に合わせた総合栄養食のみ与えれば問題ありません。間食、その他の目的食は食いつきが悪いときのトッピングやご褒美のおやつとして、少量与えましょう。

与え過ぎるとカロリーや塩分過多になり、犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があるからです。1日の摂取カロリーの10%~20%以内に抑えて、一般食を与えた分だけ主食の量を減らします。

犬に特定の病気や健康状態に問題がある場合は、動物病院受診後、獣医師から処方された療法食を与えましょう。

タイプ別の分類

ドッグフード(犬の餌)は水分含有量によって、次の3つのタイプに分けられます。

種類 水分含有量
ドライフード 10%程度
セミモイストフード 25%~35%程度
ウェットフード 75%程度

ドライフードは総合栄養食によく使われるカリカリのフードです。保存が容易で傷みにくく、価格も比較的安価なものが多いため給餌の負担を減らせます。

セミモイストフードは半生タイプのフードです。水分が多く食いつきがよいことから、おやつやドライフードのトッピングとしても使えます。

ウェットフードの水分含有量は75%程度と多く、品質保持のため製造時に殺菌工程を経ているのが特徴です。流動食のように柔らかいため、子犬や老犬でも食べやすいでしょう。

年齢別の分類

種類 対象年齢 フードの目的 特徴
子犬用 1歳未満 発育を促す 成長に必要な高いエネルギーと栄養素
成犬用 1歳~6歳 健康を維持 バランスのとれた栄養、適切なたんぱく質、体重管理
老犬用 7歳以上 体調の変化に対応 関節、消化サポート、体重管理、カロリー調整

子犬に必要なエネルギーは成犬の2倍、たんぱく質は成犬の4倍も必要といわれています。そのため、子犬用のドッグフード(犬の餌)は、高カロリー・高たんぱく質です。免疫力維持や骨格づくりに配慮されたものを選ぶとよいでしょう。

成犬は子犬に比べてエネルギー消費量が減るため、摂取カロリーが過剰にならないよう、成犬用のフードに切り替えます。去勢・避妊手術後は肥満になりやすいので、体重増加が気になる場合は体重管理用フードを検討しましょう。

老犬になったら、健康状態に応じてフードの種類を変更します。かむ力が弱くなったら、柔らかなセミモイストフードやウェットフードも選択肢に入れ、食べる量が減り過ぎる場合はカロリーが高く、消化のよいフードを与えましょう。

ドッグフード(犬の餌)の選び方

スプーンをくわえてフードボールの隣に座る犬
飼い主が「愛犬に合う安全なフードを選びたい」と考えるのは自然なことです。しかしながら、愛犬に合う安全なフードを選ぶ基準はあるのでしょうか。

ここからは、ドッグフード(犬の餌)を選ぶときにチェックしておきたい3つの項目をご紹介します。どの項目もパッケージに記載されていますので、選ぶときに確認してみましょう。

原材料

ドッグフード(犬の餌)を選ぶときは、原材料を確認しましょう。原材料は、環境省および農林水産省が共管で定めた「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」で明記するよう義務付けられています。

また、「ペットフードの表示に関する公正競争規約・施行規則」にて添加物以外の原材料は原材料に占める重量の割合の多い順に記載することと定められており、ペットフード公正取引協議会に加入しているペットフード会社の製品ではこのルールに従い表記を行っています。

原材料には「肉類」と記載しても「ビーフ・チキン・畜肉副産物」と細かく記載しても問題ありません。愛犬にアレルギーがあったり、好みを把握したりする場合は、細かく分類分けしてあるフードを選びましょう。

添加物

添加物と聞くと、悪いイメージがありますが、全ての添加物が悪いとは限りません。品質を保持するための酸化防止剤や、ビタミンやミネラルを補充する栄養強化のための添加物もあるからです。

栄養素

ドッグフード(犬の餌)を選ぶときは、犬の体に必要な6大栄養素が含まれているか確認しましょう。

栄養素 内容
生命維持に欠かせない。犬が1日に必要とする水の量は体重1キログラムあたり50ミリリットル前後が目安
炭水化物 犬の体内で糖と繊維質に分解される。糖はたんぱく質や脂肪よりも即効性のあるエネルギー源となり、繊維質は便秘や下痢を予防したり、血糖値の上昇を抑えたりする
脂肪 犬の体温維持に必要なエネルギー源。皮膚や被毛を美しく保つ役割もある。過剰摂取は肥満や動脈硬化の恐れがあるので注意
たんぱく質 筋肉や内臓、体毛など犬の体の多くを構成する成分
ビタミン 水溶性と脂溶性に大別され、体調を整える役割を持つ。ビタミンAは視覚の維持・B群は代謝の調整・Dはカルシウムやリンの吸収を助ける
ミネラル 体液バランスの調整や神経伝達、骨など犬の体調を維持する働きがある。特に重要なのが骨・歯を構成するカルシウムとリン

栄養素の中でも特に気を付けたいのが、生命維持のために必要な水の補給です。体調不良や体力の衰えにより水を飲まなくなりがちな老犬期では、水分含有量の多いウェットフードに切り替えて、水分不足を防ぐとよいでしょう。

またビタミンも必要栄養素のひとつですが、ビタミンA・ビタミンDの過剰摂取は、犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。与えるときには注意が必要です。

犬がドッグフード(犬の餌)を食べなくなったら?

ドッグフード(犬の餌)の前でお座りをしている犬

犬がフードを食べなくなったときに、まず考えられるのが病気や体調不良です。フードを食べないこと以外に何か気になる症状がないか観察してみましょう。

フードを食べないこと以外に気になる症状がない場合は、自宅で対処できるかもしれません。ここからは、犬がフードを食べなくなったときに考えられる原因とその対処法を解説します。

偏食が原因の場合

犬は偏食が原因でドッグフード(犬の餌)を食べなくなることがあります。しかし、犬は元々より好みする動物ではありません。毎日同じ食べ物を与えても満足します。ところが飼い主が犬に人間の食べ物を与えたり、おやつを与え過ぎたりすると好き嫌いが生まれるのです。

人間の食べ物やおやつだけでは、犬の健康を維持できません。犬が総合栄養食を主食として食べるよう、次の対策を試してみましょう。

1.食事時間を決めてフードを20分~30分ほど出しておく
2.時間がきたら犬がフードを食べなくても片付ける
3.フードを食べるまで1日~2日間繰り返す

これらの対策をしている間は、おやつを与えてはいけません。ただ偏食以外にも体重の減少や下痢・嘔吐が見られる場合は、病気が隠れている可能性があります。早めに動物病院へ受診しましょう。

ストレスが原因の場合

犬はストレスが原因でフードを食べなくなることがあります。引っ越しなどの急な環境の変化や、留守番や運動不足など嫌な出来事が続くと、ストレスを感じて食欲不振になってしまうのです。

犬がストレスを感じると、「ストレスサイン」と呼ばれる行動が見られます。

《犬のストレスサイン》
・あくびをする
・体をなめる
・伏せる
・目をそらす
・体をかく

犬がストレスでフードを食べなくなったら、飼い主とのコミュニケーションを増やしたり、飼育環境を見直したりしましょう。犬の個性に合わせて、好きなことを積極的に取り入れるのもストレス解消におすすめです。

夏バテ・食欲不振の場合

犬は夏バテや食欲不振が原因でドッグフード(犬の餌)を食べなくなることがあります。犬も人間と同じく、気温や体調の変化についていけないと、食欲が低下するからです。

犬にとって快適な温度は26度、湿度は50%~60%といわれています。冷暖房や加湿器・除湿器を使って調節しましょう。

またフードを工夫して与えるのも有効です。普段の食事をドライフードからウェットフードに替えたり、トッピングを加えたりすると、においや風味が増して食べやすくなるでしょう。

手作りフードはよくない?

愛犬のために手作りフードを与えたいと思う方もいるかもしれません。しかし犬の栄養学の知識がないのであれば、総合栄養食のフードのみ与えた方がよいでしょう。

なぜなら人間の食べ物の中には犬に与えてはいけないものもあり、誤って食べさせてしまうと、体調を崩してしまう恐れがあるからです。

また犬と人間の栄養バランスは異なります。例えば、犬に必要な必須アミノ酸は10種類あり、それらを全て手作りフードで補うことは至難の業です。もし全ての栄養素を手作りフードで補おうとすると、ボリューム過多になってしまう可能性もあります。

サンライズのおすすめフード

ドッグフード(犬の餌)を食べる犬

マルカングループのサンライズでは、犬に必要な栄養素を満たしたさまざまなタイプのフードを提供しています。

アレルギーのある犬のための低アレルゲンフードから、肥満防止のための低カロリーフードまでラインナップが豊富です。ここからはサンライズのおすすめフードを3つご紹介します。

「ナチュラハ グレインフリー」シリーズ

動物性原料が50%以上入っているグレインフリー(穀物不使用)の総合栄養食です。ドライフードとウェットフードがあり、愛犬の健康状態や年齢、好みに合わせて選べます。

いずれも保存料・酸化防止剤・着色料を使用していないため、添加物が気になる方も安心して愛犬に与えられます。

参考:『犬のドライフード』

参考:『犬のウェットフード』

「ミンチスペシャル」シリーズ

「ミンチスペシャル」シリーズは、国産の新鮮生チキンを主原料とした総合栄養食です。愛犬のサイズや年齢、健康状態に合わせた9種類のラインナップがあります。

セミモイストフードのため、どの年齢の犬にもおすすめです。ビタミン・ミネラルをバランスよく含んでいるのはもちろんのこと、13歳以上用には関節の健康維持に配慮したグルコサミン・コンドロイチンが配合されています。

参考:『ミンチスペシャル』

「スタイルズ」シリーズ

「スタイルズ」シリーズは、犬種ごとに必要な栄養素が配合されたセミモイストタイプの総合栄養食です。年齢を重ねるごとに、犬種が抱えやすい健康トラブルを考慮した栄養素が含まれています。

種類(犬種) 年齢 含まれている栄養素
ミニチュアダックスフンド 成犬・6歳以上・10歳以上 体重維持に配慮し、おなかの調子を整えるリンゴ繊維配合
トイプードル 成犬・6歳以上・10歳以上 目の健康をサポートするアントシアニジンを含むブルーベリー配合
チワワ 成犬・6歳以上・10歳以上 骨格の健康づくりをサポートするミルクカルシウム配合
ヨークシャテリア 成犬 皮膚や毛艶の健康をサポートするフィッシュコラーゲンペプチド配合
ポメラニアン 成犬 被毛の健康をサポートするヒアルロン酸を含む鶏冠抽出物配合
シーズー 成犬 目の水晶体の健康を維持するマリーゴールド配合

参考:『スタイルズ』

まとめ

フードの入った食器を見つめる犬

ドッグフード(犬の餌)は目的別・タイプ別・年齢別に分けられ、ラインナップも豊富です。種類に応じて含まれている栄養素が異なるため、選び方や与え方を誤ると犬の健康に影響を及ぼすこともあります。

愛犬の健康維持のためにも、健康状態や年齢に合わせた総合栄養食を選びましょう。「マルカン」では、犬の好みや健康状態そして犬種に合わせたさまざまなフードをご用意しております。ぜひマルカン公式サイトの「犬の製品一覧」をご覧ください。

PAGEでは、犬について、特徴や飼い方についての情報を発信しております。犬の種類、特徴、飼い方について気になる方はぜひ「大型犬の種類や飼い方」をチェックしてみましょう。

愛玩動物飼養管理士・老犬介護スペシャリスト

鍵山 由香

愛玩動物飼養管理士・老犬介護スペシャリスト  鍵山 由香

トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。

トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。

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