【専門家監修】犬にしつけは必要?しつけの順番や大切な3つのポイントも解説

公開日:2024.01.17 更新日:2024.01.23

犬を家族に迎えるにあたり、どのようにしつけをすればよいのか分からない飼い主もいるのではないでしょうか。愛犬のしつけがうまくいかず悩んでいる方もいるかもしれません。 犬のしつけの順番は厳密に決まってはいませんが、早いうちから始めたほうがよいものもあります。 適切なタイミングを見極めてしつけを始めれば、愛犬と飼い主との関係性はより深まるでしょう。 この記事では、しつけの必要性やタイミング、気を付けたいポイントをご紹介します。

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記事の目次

犬のしつけは必要なの?

ドッグランを駆け回る3匹の犬
「しつけ」と聞くと感情的に叱ったり、マズルをつかんで吠えないようにしたりと厳しく罰を与えるイメージを持つ方もいるでしょう。しかし本来のしつけとは、愛犬と飼い主が共に幸せに暮らすために行うものです。

犬のしつけには人を怖がらない、他の犬に吠えかからない、体を触られることに抵抗をなくすなどさまざまなメリットがあります。

家族以外の人や犬と積極的に触れ合えるようになると、一緒に旅行に出かけたり、ドッグランで遊んだりすることも可能です。また、「おすわり」や「待て」を覚えることで、万が一の事故から愛犬を守ることもできるでしょう。

犬のしつけの順番

犬とアイコンタクトを交わす笑顔の男性
犬のしつけは月齢に合わせて行うのが理想です。特に「社会化期」の子犬は好奇心が旺盛で、遊びながらさまざまなルールを覚えるのに適しているといえるでしょう。

社会化期は犬種や個体によって差があるものの、生後3週ごろから始まり、生後12週~16週ごろまで続きます。

しつけの順番に厳密な決まりはありません。しかし、よりスムーズに習得できる社会化期のうちから始めたいしつけを、順番に確認してみましょう。

1.トイレ

犬を迎えてすぐに始めたいのがトイレトレーニングです。成犬でもトレーニングは可能ですが、子犬期より時間がかかるため根気よく取り組みましょう。

まずはサークルやケージ、トイレトレー、トイレシートを準備します。トレーニングのポイントは以下の通りです。

・トイレシーツは常にキレイな状態にしておく
・寝起きや食後、遊んでいる最中など排せつのタイミングを計る
・床のにおいをかいだり、くるくると回り出したりしたらトイレに連れて行く
・トイレが成功したら褒める、ご褒美をあげる

排せつ中は無防備になることから、騒がしい場所では排せつしない犬もいます。そのため、生活空間とは別の静かな場所にトイレを設置しましょう。

オスは生後半年くらいから足を上げてオシッコをしますが、サークルを囲うようにシートを貼ると、オシッコがトイレからはみ出る心配がありません。

2.名前

愛犬に名前を覚えさせるとコミュニケーションが取りやすくなり、しつけがスムーズにできます。おやつなどのご褒美を用意し「名前を呼ばれる=よいことが起こる」と理解させるのがポイントです。

注意点として、叱るときには名前を呼ばないようにしましょう。「名前を呼ばれる=叱られる」と覚えると、名前を呼んでも警戒してそばに来なくなる可能性があります。

3.アイコンタクト

犬が名前を覚えた後はアイコンタクトをしつけると、愛犬の困った行動を防ぐのに役立つでしょう。ポイントはただ視線を合わせるだけでなく、愛犬に注目してもらうことです。

まず、おやつなどのご褒美を飼い主の顎のあたりに持った状態で名前を呼びましょう。犬がこちらを向き、目が合ったらおやつを与えて褒めます。慣れてきたら散歩中や、他の犬がいる場所など、さまざまなシーンでトレーニングを繰り返しましょう。

4.スキンシップ

マズル(口周り)・足・耳・尻尾など、敏感な場所を触られることに慣れさせるしつけも必要です。日頃のお手入れがしやすくなる他、動物病院やトリミングなど飼い主以外に触れられる場所でのストレスも軽減されます。

スキンシップはおやつを与えながら優しく体をなでるところから始めましょう。触れる部位は背中や頭からスタートし、徐々にマズルや足先に移動します。

少しでも嫌がる素振りを見せたら手は離さず、その場で動きを止めるのがポイントです。触れるのをやめると「嫌がればやめてもらえる」と学習してしまいます。

5.かみ癖の防止

犬はかむ習性を持つ動物です。口で物をくわえて運んだり、ストレス発散におもちゃをかんだりして遊びます。そのような犬の習性を理解した上で、飼い主と共に暮らすためのルールを覚えてもらいましょう。犬のかみ癖が出やすいのは、以下のようなケースです。

・歯が生え代わる時期(生後6か月~7か月ごろ)
・甘えているときの甘がみ
・ストレスや強い恐怖を感じた場合

かみ癖の防止には、かんでもよいおもちゃを与え、かむ要求を満たしてあげる方法が有効です。飼い主の手をかんだ際は過剰に反応せず、落ち着いた声で「痛い」と言って手を引っ込めたり、犬が落ち着くまで無視をしたりするとよいでしょう。

6.コマンド(待て・ふせ・おすわりなど)

コマンドは、愛犬が自分の名前とアイコンタクトをマスターした時期から始めるのが理想です。使用するコマンドは、犬が覚えやすいように短い言葉で統一しましょう。

コマンドの種類は、以下の通りです。

日本語 英語
待て stay(ステイ)
よし ok(オーケー)・go(ゴー)
おすわり sit(シット)
おいで come(カム)
ふせ down(ダウン)
ハウス house(ハウス)

「待て」と「おいで」はコマンドの中でも特に重要といわれています。リードが外れるなど、万が一のトラブルが起こった場合も犬に危険が及ぶのを防げるでしょう。コマンドは室内でも室外でも使う機会が多いため、根気強くしつける必要があります。

7.ハウス・留守番

ハウスをしつけておくと、室内で犬だけを留守番させるときに安心です。一般的にハウスとは犬舎やケージを指し、愛犬が落ち着いて過ごせる場所をいいます。

ハウスが上手にできるようになると動物病院に入院した際や、震災時に犬を連れて避難した場合にも役立つでしょう。ハウストレーニングは、以下の手順で進めます。

・始めはキャリー・ケージの扉は閉めずに行う
・おやつで誘導し、中に入るとよいことがあると教える
・慣れてきたら扉を閉める
・中にいる時間を徐々に延ばしていく

ハウスは飼い主の姿が見えるところに配置し、愛犬が安心して落ち着ける場所にしてあげましょう。

8.散歩

犬にとって散歩は至福の時間である一方、外の世界には多くの危険があります。散歩中は愛犬を自由にさせるより、飼い主の隣について歩かせるほうがよいでしょう。

急に道路へ飛び出す、拾い食いをするなどを防止するには「ツケ」というコマンドを覚えさせ、飼い主の顔を時々見ながら隣を歩かせるのが理想です。

ツケをしつける際は、以下の順番に行います。
・おやつで飼い主の左側に誘導する
・少しずつ進んで、ついて来たらおやつを与えて褒める
・犬が前に行こうとしたときはリードを少しだけ引っ張って制止する

リードは短く持ち、無理に引っ張らないよう注意しましょう。地面につかない程度に余裕を持たせるのがポイントです。

9.社会性

さまざまな場所、他の犬や人に慣れさせるしつけを「社会化」といいます。社会化不足になると他の犬や人に吠えかかったり、サイレンやチャイムなどの物音を異常に警戒して吠えたりと、問題行動を起こす可能性もあるため注意が必要です。

社会化のしつけは、以下のポイントを意識しましょう。
・飼い主との信頼関係を築くことが重要
・開始時期はワクチン接種が終わったころが理想
・家族以外の人に会わせる場合、年齢や性別が異なる複数人で実施
・他の犬と触れ合わせる際は、最初はリードを短めに持つ
・物音については、吠えなかったときにおやつを与え徐々に慣れさせる

社会化不足をそのままにすると分離不安を引き起こす可能性もあるため、早い時期からトレーニングを始めるのが理想です。

10.無駄吠えの改善

飼い主が無駄吠えだと感じていても、犬が吠えるのには原因があります。不安、警戒、おなかが空いた、遊びたいなどの他に、うれしさで感情が高ぶって吠える場合もあるでしょう。

犬がしつこく吠えるのを改善するには、原因を解消するのが大切です。不安や警戒が原因ならば飼い主がそばについて「大丈夫だよ」と声をかけ、優しくなでて安心させてあげましょう。吠えるのを止めたらご褒美としておやつを活用するのもおすすめです。

ただし、食事や遊びの要求吠えは「吠えても要求は通じない」と学習させる必要があります。吠えるのを止めてから要求に応えるようにしましょう。

犬のしつけで大切な3つのポイント

犬の頭を優しくなでる女の子
犬のしつけを始めるにあたり、事前に覚えておきたいポイントがあります。誤ったしつけは犬を攻撃的にしてしまうなど、思わぬトラブルの原因にもなるため注意が必要です。

これから犬を新たに迎える方はもちろん、愛犬のしつけがうまくいかず悩んでいる方は以下のポイントに気を付けましょう。

信頼関係を大切にする

ひと昔前までは愛犬と飼い主の間に上下関係を示す必要があるといわれていました。しかし現在は、親子のような信頼関係を築くことが何より大切だという考え方が主流です。

愛犬との信頼関係が深まると意思疎通がスムーズにでき、しつけもしやすくなります。厳しく叱ったり首や口を強くつかんだりといった行為は、愛犬との関係性によくない影響を与えかねません。犬の習性を理解し、愛情を持って接するようにしましょう。

叱らずに褒めて教える

犬のしつけは、好ましくない行動をした際に叱って教えるものではありません。愛犬がよい行動をした場合はすぐに褒めて、「あなたの行動は正しい」と教えてあげましょう。

時間を空けず褒めることで、犬はどの行動で褒められたかを理解し、効率的に覚えます。褒めるときは声のトーンを普段より高くし、感情を込めるのもポイントです。愛犬は飼い主の表情だけでなく、声のトーンでも気持ちを読み取っています。

呼びかけは統一する

愛犬の呼び名や、「待て」や「ふせ」などのコマンドは家族間で統一しましょう。家族それぞれで言い方が違うと犬が理解できず、混乱してしまいます。

名前や使用するコマンドは独断で決めず、家族全員で相談してから決定するとよいでしょう。使用する言語を共通させるのは、犬のしつけをスムーズに行うための大切なポイントのひとつです。

犬のしつけにおやつを使おう

犬を褒めて伸ばすしつけには、その場ですぐに与えられるおやつを常備しておきましょう。「ゴン太のササミチップスプチタイプ」は取り出しやすく、手軽にさっと与えられます。犬の大好物である鶏ささみを使用しており、ハードタイプで食べ応えも抜群です。

「ゴン太のほねっこささみふわわシリーズ」は程よい食感のひとくちサイズのジャーキーで、おいしくカルシウム補給ができます。

「ゴン太の角切りチーズ」は嗜好性が高く、塩分控えめなおやつです。愛犬の満足度を満たすだけでなく、健康にも配慮しています。

参考:『ゴン太のササミチップスプチタイプ』

参考:『ゴン太のほねっこささみふわわシリーズ』

参考:『ゴン太の角切りチーズ』

まとめ

お手をする犬にご褒美を与えようとする女性

しつけは愛犬との暮らしを楽しく、より幸せに過ごすために欠かせません。人間社会のルールを覚えることや飼い主との絆を深めるだけでなく、大切な家族である愛犬の命を守るためにも必要です。

マルカンのおやつシリーズは、しつけのご褒美に最適なひとくちサイズがそろっています。食事や散歩の際にも活用でき、愛犬とのコミュニケーションツールにもおすすめです。気になる方は、ぜひ一度マルカン公式サイトをご覧ください。

PAGEでは、犬について、特徴や飼い方についての情報を発信しております。犬の種類、特徴、飼い方について気になる方はぜひ「大型犬の種類や飼い方」をチェックしてみましょう。

愛玩動物飼養管理士・老犬介護スペシャリスト

鍵山 由香

愛玩動物飼養管理士・老犬介護スペシャリスト  鍵山 由香

トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。

トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。

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