【専門家監修】犬が遠吠えをする5つの理由|ケース別の対処法も解説
公開日:2024.01.17 更新日:2024.01.23
犬が突然「ワォーン」と遠吠えする理由を知りたいと思っている飼い主もいるのではないでしょうか。高齢の愛犬の夜鳴きが増えて悩んでいる方もいるかもしれません。 犬が遠吠えをする理由はさまざまで、生まれつき遠吠えをしやすい犬種 もいます。ただし、分離不安症や認知症など病気のサインが隠れている場合もあるため注意が必要です 。 この記事では、犬が遠吠えをする理由や、遠吠えをしやすい犬種をご紹介します。また、遠吠えの対策方法についてもお伝えするため、気になる方は参考にしてみてください。
CONTENTS
記事の目次
犬が遠吠えをする5つの理由
犬が遠吠えをする主な理由は、コミュニケーション手段や身体的・精神的苦痛などです。年齢とともに夜間に遠吠えをするのが増えた場合、認知症の影響も考えられます。犬の遠吠えの理由を知るのは、病気を早期発見する手がかりにもなるでしょう。
大切な愛犬との日々を健やかに過ごすために、まずは犬が遠吠えをする5つの理由をご紹介します。
コミュニケーション手段
犬の遠吠えは、犬同士や人とのコミュニケーション手段のひとつです。これは、祖先である野生オオカミの名残といわれます。
オオカミは、群れごとに縄張りをつくって生活する生き物です。縄張りを主張したり仲間に自分の居場所を知らせたりする際、遠吠えを用いる習性があります。
飼い犬は飼い主を仲間と認識しているため、飼い主が留守で見つからないときなどに遠吠えをして探すこともあるでしょう。多頭飼いの場合であれば、他の犬に自分の縄張りを主張するために遠吠えをすることもあります。
不安・ストレス
不安や寂しさが原因で遠吠えをする可能性もあります。例えば、子犬が母犬を見失った際、不安感を覚えて遠吠えをするケースです。飼い犬であれば、飼い主に構ってもらえない寂しさから遠吠えをすることも考えられます。
遊びや散歩など体を動かす時間が不足すると、ストレスがたまって遠吠えをする犬もいます。遠吠えによって大きな声を出し、ストレスを解消しようとするためです。
ただし、遠吠えをしたからといってストレスが完全に解消されるわけではりません。愛犬が繰り返し遠吠えをする場合はストレスの原因を追求し、解消してあげることが大切です。
周囲の音に反応
救急車などのサイレンに反応して遠吠えをする犬もいます。これは、サイレンの周波数が犬の遠吠えの声に近いためというのが理由のひとつです。サイレンの音を仲間の鳴き声と勘違いし、自分の居場所を知らせるために遠吠えをしているのかもしれません。
犬は好きな音だけでなく、嫌いな音にも反応する生き物です。飼い主の楽器演奏や歌に合わせて遠吠えする場合、音を楽しんで自分も参加したいと思っている可能性が高いでしょう。
一方、工事などの騒音に対して遠吠えをする場合、不快感を覚えている可能性もあります。
体の苦痛や不快感
体の痛みや不快感、精神的苦痛を訴えるために遠吠えをする場合もあります。中には「分離不安症」という心の病気が潜んでいる可能性もあるため注意が必要です。分離不安症の犬は留守番などで飼い主から離れたときに強い不安を感じ、大きな声で鳴き続けます。
トイレを失敗したり家具を破損したりといった、普段は見られない問題行動を起こすのも特徴です。不安によるストレスから、下痢や嘔吐を引き起こす場合もあります。
遠吠えだけでなく問題行動や健康上の変化が見られる場合、かかりつけの獣医師に相談するとよいでしょう。
加齢・認知症
人と同じく、犬も年齢を重ねると視力や体力が低下します。これまで当たり前にできていたことができない不安から、吠える回数が増えることもあるでしょう。睡眠サイクルが乱れて昼夜逆転し、夜鳴きを繰り返す場合もあります。
また、トイレを失敗した不快感で遠吠えをすることもあるでしょう。年齢とともに吠える回数が増える場合、認知症も疑われます。認知症の症状が出やすいのは11歳~15歳ごろで、早ければ7歳ごろに発症する場合もあるため注意が必要です。
認知症は完治が難しく、年齢とともに進行します。愛犬の様子を日ごろからよく観察し、気になる症状があれば、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
遠吠えをしやすい犬種
遠吠えは、どの犬種にも共通して見られます。しかし「吠える」ことが仕事だった猟犬や、オオカミの血を濃く受け継いでいる犬種は、本能的に遠吠えをしやすいといえるでしょう。具体的には、以下のような犬種です。
・ダックスフンド
・ビーグル
・バセットハウンド
・ブラッドハウンド
・ハスキー
・アラスカン・マラミュート
犬種によって遠吠えをしやすい傾向があるとはいえ、個体差はあります。犬種に限らず、さまざまな感情を飼い主に訴えるために遠吠えをする可能性があることも忘れないようにしましょう。
犬の遠吠えの対処法
犬にとって「吠える」ことは大切なコミュニケーション手段のひとつです。全く吠えさせないようにするのは難しいといえるでしょう。しかし、遠吠えの理由によっては対策できる場合もあります。
ここからは、犬の遠吠えを対策する方法を原因別で見ていきましょう。愛犬の遠吠えに悩んでいる方は犬の習性を理解した上で、無理のない範囲で行ってみてください。
ストレスが要因の場合
ストレスによる遠吠えは、原因を取り除いてあげると改善できることがあります。運動不足がストレス要因であれば、散歩の回数や時間を増やすとよいでしょう。おもちゃを使って飼い主と遊ぶ時間を増やすのも有効です。
一人遊びができるおもちゃを与えれば、留守番中の寂しさやストレスの緩和に役立つでしょう。愛犬に適したケージやサークルを使用するのも遠吠え対策のひとつです。ケージが狭すぎると寝そべった際に脚を伸ばせず、犬がストレスを感じます。
マルカンのケージは、子犬から中型犬まで選べる豊富なサイズ展開が魅力です。愛犬のために快適なケージをお探しの方は、ぜひチェックしてみてください。
音に反応している場合
音楽やテレビの音に反応して遠吠えをする場合、愛犬を違う部屋に連れて行ったり音がする部屋の扉を閉めたりと、できるだけ音から遠ざけるとよいでしょう。室内で楽器演奏をすることが多い場合は、防音設備のある音楽部屋を設けるのもおすすめです。
工事やサイレンの音に対して遠吠えをする場合、おやつやおもちゃを活用し、音が聞こえたときに犬の気をそらす工夫をしましょう。
吠えなかったときに褒めるのを繰り返すことで、「吠えないと飼い主が褒めてくれる」と愛犬が学習し、遠吠えの改善につながります。
認知症や病気が疑われる場合
病気やケガによる肉体的苦痛が原因の場合は、動物病院を受診し、適切な検査や処置を受けましょう。
加齢や認知症による夜間の遠吠えを改善するには、睡眠サイクルを整える必要があります。睡眠サイクルの調整には日光浴が有効です。愛犬に負担がかからないように気を付けながら、日中に散歩をして太陽の光をたっぷり浴びる時間を設けましょう。
愛犬が寝たきりならば、寝床を窓際に移動して日光浴をさせてあげるのもおすすめです。寝つきがよくなる薬やサプリもあります。愛犬の遠吠えに悩んだ際は飼い主一人で抱え込まず、獣医師のサポートも受けながら上手に乗り越えましょう。
まとめ
犬が遠吠えをする理由はひとつではありません。吠える習性のある犬にとって、遠吠えも飼い主との大切なコミュニケーション手段です。無理にやめさせようとせず、愛犬の訴えに耳を傾けながら理由に合わせた対策法を心がけましょう。
マルカンでは、豊富なサイズのケージやサークルの他、運動不足解消に役立つおもちゃ、しつけの際に活用できるおやつもご用意しています。気になる方は、ぜひマルカンの「公式サイト」をご覧ください。
PAGEでは、犬について、特徴や飼い方についての情報を発信しております。犬の種類、特徴、飼い方について気になる方はぜひ「大型犬の種類や飼い方」をチェックしてみましょう。
愛玩動物飼養管理士・老犬介護スペシャリスト
鍵山 由香
トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。
トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。