【専門家監修】子犬が臭い原因をケース別に解説|ケアの仕方や室内の対策も

公開日:2024.02.02 更新日:2024.02.08

子犬を家族の一員として迎え生活していく中で、口臭や体臭が気になる方もいるのではないでしょうか。室内のペット臭が気になり始めた方もいるでしょう。子犬の臭いの原因はいくつかあり、適切なケアにより改善できる可能性があります。 犬の臭いは健康状態を測るバロメーターのひとつです。臭いの原因が分かれば、病気の早期発見につながるかもしれません。この記事では、子犬の臭いの原因と、対策についてご紹介します。

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記事の目次

【ケース別】子犬が臭い原因

ケージの中に置かれたトイレに座る子犬

子犬の臭いの原因として考えられるのは、大きく分けて5つです。部位ごとに臭いの原因があり、適切な対策方法にも違いがあります。

悪臭を感じた場合、病気のサインである可能性もあるため注意が必要です。普段とは異なる臭いがしたり、いつもと様子が違ったりする際には獣医師に相談しましょう。

口が臭い

子犬の口臭が気になる場合は、歯周病が疑われます。歯周病の主な原因は歯石です。犬の歯垢は2日~3日程度で歯石に変わり、人間より歯周病になるリスクが高いといわれます。

食事の食べかすを口元の被毛に付着させたまま放置し、細菌が繁殖して口周りが臭くなることもあるでしょう。

口内からウンチのような悪臭がする場合は、腸閉塞や腸捻転といった病気の可能性があります。アンモニアのような酸っぱい臭いがするなら、腎臓や肝臓の疾患も考えられるでしょう。愛犬の口臭が気になる場合は獣医師に相談するのがおすすめです。

目の周りが臭い

目からあふれた涙に雑菌が繁殖し、目の周りが臭くなる子犬もいます。特に、目の大きな犬種や短吻種(たんふんしゅ)の犬は涙がたまりやすいため、小まめなお手入れが大切です。

結膜炎など目の病気によって涙が増えることもあります。普段より目の周りが湿っているなら、念のため獣医師に相談するとよいでしょう。

逆さまつげなどが原因で起こる「流涙症」によって臭いを発生するケースもあります。流涙症とは、あふれた涙の成分によって目の下の被毛が変色する病気です。小まめに拭き取らないと雑菌が繁殖し、生乾きの雑巾のような臭いがします。

耳が臭い

垂れ耳の犬種は通気性が悪く、耳の中が蒸れやすいのが特徴です。耳垢もたまりやすく、耳の臭いが強くなる傾向があります。

長い被毛で耳が覆われている犬種も注意が必要です。耳の中に雑菌が繁殖しやすく、臭いの原因となります。外耳炎など耳の病気で臭いが強くなるのも覚えておきましょう。外耳炎の場合、黒い耳垢が出るのが特徴です。

酵母菌の一種であるマラセチアが過剰に繁殖して外耳炎を引き起こし、独特な臭いを発する場合もあります。子犬の耳から普段とは異なる異臭がする場合は、なるべく早く動物病院を受診しましょう。

体が臭い

子犬の体臭が強くなるのは、体のシワに汚れがたまった場合などが考えられます。特に、シワや皮脂が多い犬種は被毛に汚れやフケがたまりやすく体臭が強くなる傾向があるため、定期的なケアが必要です。

また、犬のお尻には「肛門腺」があり、強烈な臭いの分泌液がたまる構造をしています。分泌液が過剰にたまると臭いが外に漏れ出したり、肛門腺が破裂したりする可能性もあるため注意しましょう。

犬がお尻を地面にこすりながら歩くのは、分泌液がたまっているサインです。飼い主が肛門腺を絞り、たまった分泌液を出してあげる必要があります。肛門絞りに慣れていない飼い主は、ペットサロンを利用するのもよいでしょう。

糞尿で臭い

子犬はトイレトレーニングが完璧でないことも多く、ウンチを足で踏んだり、トイレに寝転んでおしっこが体に付いてしまったりすることもあるでしょう。ウンチやおしっこが付いたまま放置すると、子犬の体が臭くなります。

糞尿が体に付着したまま放置すると臭いの原因になるだけでなく、皮膚炎になる可能性もあるため注意が必要です。子犬の健康面に悪影響を及ぼさないためにも、糞尿が付いた部分はその都度きれいに拭き取り、清潔な状態を保ちましょう。

子犬の臭いへの対策

お風呂に入る子犬

子犬の臭い対策は、臭いが気になり始めたタイミングで行うのが大切です。そのまま放置すると汚れに細菌が繁殖し、臭いがさらに強くなる可能性があります。臭いを気にして生活をするのは愛犬だけでなく、飼い主にとってもストレスになるでしょう。

子犬の臭いを対策する方法は、大きく3つあります。まずは日常に取り入れやすいケアから始めてみましょう。

歯磨き・口腔ケア

犬の唾液は弱アルカリ性のため、歯石が付きやすいといわれます。人間のおおよそ5倍の速さで歯垢が歯石に変わるともいわれているのです。歯石が付かないようにするには、子犬の時期から歯磨きをして、小まめにケアしてあげましょう。

歯磨きに慣れていない場合は、指に取り付けるシートタイプや、指サックタイプの歯ブラシがおすすめです。慣れてきたら徐々に他のタイプを試してみるとよいでしょう。犬用の歯磨きガムもあります。かむことで歯垢が落ち、歯石が付着するのを防げます。

定期的なグルーミング

臭いの原因となる抜け毛や被毛の汚れを落とすには、ブラッシングが効果的です。ブラッシングスプレーを活用すれば、より汚れが落ちやすくなります。

お散歩の後など毎日の習慣にするとよいでしょう。糞尿が体に付いた際は、濡れたタオルやウェットティッシュで汚れを拭き取ります。

シャンプーは生後2か月ごろから、月に1回~2回の頻度で行いましょう。臭いが気になるからといって洗い過ぎると、かえって皮膚トラブルの原因になるため注意が必要です。

室内の臭い対策

室内でふせをする子犬
家の中のペット臭が気になる場合は、定期的な掃除や消臭対策が重要です。特に、臭いの原因となるトイレやその周りは、小まめな掃除が必要といえます。

スプレーするだけで臭いを軽減できるアイテムや、空気をきれいに保てる空気清浄機を活用するのもおすすめです。飼い主の生活スタイルも考慮しつつ、愛犬が快適に過ごせる清潔な空間を維持しましょう。

消臭剤の使用

消臭剤にはスプレータイプ、シートタイプ、置き型タイプの3つがあります。消臭剤は、使う場所や臭いの原因に合わせて選ぶのがポイントです。商品を選ぶ際には犬が触れても害のない、安全性も重視しましょう。

即効性があり、手軽に使用できるものをお探しの方にはスプレータイプがおすすめです。マルカン「ニオレスト クリーナー スピード消臭」は、果実由来の植物成分によって気になるペットの臭いを軽減できます。酵素の力で汚れを分解し、楽に落とせるのも魅力です。ペット用品や居住空間の汚れ、臭いにお悩みの方はぜひチェックしてみてください。

参考: 『ニオレスト クリーナー スピード消臭』

定期的な掃除・洗濯

室内を清潔に保つためには、臭いが発生しやすいトイレ掃除を小まめに行うのも大切です。トイレだけでなく、周りの床や壁も含めて毎日掃除するのを心がけましょう。

ペット用消臭スプレーを使用すれば、お手入れを楽にできます。万が一に備えて、犬が触れたりなめたりしても問題のないものを選びましょう。

また、犬のベッドやマットは使用時間が長く、体臭や汚れが蓄積しやすい場所です。汚れたまま放置すると臭いの原因となるため、月に1回を目安に洗濯しましょう。消臭スプレーをかけて天日干しをするのも臭い対策には有効です。

空気清浄機の設置

空気清浄機は室内の臭いを取り除くのに加え、新鮮な空気に入れ替えることも可能です。
人間と同じく、犬も空気が乾燥すると免疫力が落ちて体調を崩しやすくなります。加湿機能付きの機種を選べば空気清浄と加湿の両方が可能です。

他にもペット臭に特化したフィルターが別売りされているものや、アレルギーの一因となるペットの抜け毛やフケを除去するものもあります。空気清浄機は、臭い対策はもちろん、ペットアレルギーでお悩みの方にもおすすめです。

まとめ

子犬を抱っこする女性

子犬の臭いの原因はひとつではありません。病気が原因の場合、獣医師による適切な処置が必要です。

日常生活に臭いの理由があるのなら、日頃のケアによって対策ができる場合もあります。ケアする時間を日々のルーティーンに加えたり、手軽に臭い対策ができるグッズを活用したりすれば、飼い主の負担も減らせるでしょう。

マルカンでは、消臭スプレーや丸洗いできるベッドなど、子犬の臭い対策に活躍するアイテムを豊富に取りそろえております。気になる方は、ぜひ公式サイトの「犬のトイレ・衛生用品」をご覧ください。

PAGEでは、犬について、特徴や飼い方についての情報を発信しております。犬の種類、特徴、飼い方について気になる方はぜひ「大型犬の種類や飼い方」をチェックしてみましょう。

愛玩動物飼養管理士・老犬介護スペシャリスト

鍵山 由香

愛玩動物飼養管理士・老犬介護スペシャリスト  鍵山 由香

トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。

トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。

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