【専門家監修】犬のアレルギーとは?予防・対策から人の犬アレルギーまで解説
公開日:2024.01.16 更新日:2024.02.15
愛犬がアレルギーを発症しているのではないか、悩んでいる飼い主もいるのではないでしょうか。犬のアレルギーは放っておくと悪化し、慢性化する可能性もあります。 また、飼い主が犬アレルギーを発症し、辛い症状に悩まされるケースもあるため注意が必要です。 この記事では、犬アレルギーの種類や原因、対策におすすめの商品、愛犬と飼い主が共に幸せに暮らすためのポイントを紹介します。
CONTENTS
記事の目次
犬のアレルギーとは
犬が発症するアレルギーの種類は、「アトピー性皮膚炎」「食物アレルギー」「ノミアレルギー」の大きく3つです。ここでは、種類ごとの症状の特徴を紹介します。
種類ごとの症状を知ることで、愛犬がどのアレルギーを発症しているのかを把握でき、適切に対処できるでしょう。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、花粉やカビ、ハウスダストなど空気中に浮遊するアレルゲンが犬の体内に侵入した際、免疫システムが過剰に反応することで発症します。環境アレルギーとも呼ばれ、季節や環境の変化により症状に浮き沈みがあるのも特徴です。
アトピー性皮膚炎を発症すると、毛の薄い部分や関節の内側などが赤くなり、慢性的なかゆみを引き起こします。一般的に3歳以下で初症する傾向があり、左右対称に症状があらわれるのも特徴のひとつです。
アトピー性皮膚炎は、外耳炎の原因となる可能性もあります。飼い犬が外耳炎を繰り返している場合は念の為、獣医師への相談がおすすめです。
食物アレルギー
食物アレルギーの症状はアトピー性皮膚炎とよく似ており、皮膚のかゆみや赤み、外耳炎などが挙げられます。
かゆみが背中や腰にあらわれたり、おなかがゆるくなったりと、消化器系にも症状が出るのがアトピー性皮膚炎と異なる点です。食べ物が原因で発症するため、季節や環境による症状の浮き沈みが少ないのも特徴といえるでしょう。
犬にとって大豆やとうもろこし、小麦などの穀物はアレルゲン物質になりやすいといわれます。その他、牛や鶏、ラムなどの肉類、卵や乳製品も食物アレルギーを起こしやすいため、与える際は注意が必要です。
ノミアレルギー
ノミアレルギーは、ノミの唾液にアレルギー反応を起こし、皮膚にかゆみ症状が現れる病気です。特に、ノミが多く繁殖する夏から秋にかけて増加する傾向があります。ただし、室内は冬でも暖房で暖かいため、室内飼いの犬は通年を通して注意が必要です。
症状の特徴は、腰部や下半身に強いかゆみを伴う赤いブツブツが出ます。生後6か月以下で発症するのはまれで、4歳前後から症状があらわれるケースが多いでしょう。
ノミアレルギーは、散歩中に他の犬と触れ合った際、ノミに感染して発症することも少なくありません。季節や環境に関係なく、適切な対策を心がけましょう。
アレルギーを起こしやすい犬種
犬アレルギーの原因はさまざまですが、生まれつきアレルギーを発症しやすい犬種も存在します。アレルギーを発症しやすい犬種を把握しておけば、愛犬のアレルギー症状を特定しやすくなり、早期対処につなげられるでしょう。
アトピー性皮膚炎を発症しやすい犬種には、以下が挙げられます。
・フレンチブルドッグ
・シーズー
・柴犬
・ラブラドールレトリーバー
・ゴールデンレトリーバー
・ウエストハイランドホワイトテリア
また、食物アレルギーを発症しやすい犬種は、以下の通りです。
・アメリカンコッカースパニエル
・パグ
・ボクサー
・ミニチュアシュナウザー
・ダックスフンド
・ウエストハイランドホワイトテリア
特にアトピー性皮膚炎は、遺伝的な要因が大きく関係するといわれます。初期段階では、たとえ体をかゆがっていても、皮膚に炎症が見られない場合もあるため注意が必要です。
そのまま放置するとやがて悪化し、激しいかゆみがストレスとなってイライラしたり、攻撃的になったりする犬もいます。
犬のアレルギー|予防と対策
一度アレルギーを発症すると、改善までに長い時間がかかるケースも多い傾向です。アレルギーの疑いがある場合は、なるべく早く獣医師に相談し、適切な処置を受けましょう。
アレルギーの予防や悪化を防ぐには、自宅での対策も重要です。愛犬がアレルギーで悩むことのないよいように、以下の3つのポイントを押さえましょう。
肌の保湿を習慣化する
アレルギー性皮膚炎は、肌のバリア機能が低下すると発症しやすい傾向があります。子犬のときから保湿を習慣化することで、アレルギー皮膚炎のリスクを軽減できるでしょう。
肌の乾燥を防ぐには、シャンプーのし過ぎにも注意しましょう。頻度は月に1度~2度が目安で、短毛種でも毎回トリートメントで保湿をします。犬用の保湿スプレーは、さっと吹きかけるだけで手軽に肌のケアができるためおすすめです。
皮膚に不足しがちな油分やビタミンを補給できる、犬用のサプリメントも販売されています。空気が乾いている冬は犬の肌も乾燥しやすいため、暖房器具を使う際には加湿器も同時に使用するなど、乾燥対策を心がけましょう。
食事の内容を改善する
食物アレルギーは、食べ物の中に含まれるタンパク質に対しアレルギー反応を起こし発症する可能性もあるため、フードを変えると改善するケースも少なくありません。
フードを変更する際は、少量ずつ変えていくのがポイントです。療法食を病院から処方された場合は、それ以外のフードやおやつを与えないようにしましょう。
食物アレルギーの診断は、獣医師による検査により判断されます。1週間ほどかけて犬の体調や便に変化がないかをよく観察し、症状が改善しない場合には獣医師に相談するのがおすすめです。
ノミ駆除薬を使う
ノミアレルギーの場合、獣医師による診断を受け、処方されたノミ駆除薬を使用するのが一般的です。ノミ駆除薬には、滴下タイプと内服薬の2種類があります。
滴下タイプは、首の後ろの皮膚に薬を垂らして使用するものです。簡単で安全性も高く、ノミアレルギー対策として多く使用されます。成虫の駆除と、卵や幼虫の駆除を同時に行えるのも特徴です。
内服薬は即効性に優れており、投与後のスキンシップやシャンプーにも影響がありません。市販のノミ取り首輪やノミ取りシャンプーもありますが、病院で処方される駆除薬の方が有効性は高い といえるでしょう。
愛犬の健康をサポートするサンライズの低アレルギーフード
愛犬が食物アレルギーであると獣医師に診断された場合、低アレルギーフードに変更し、様子を見るのが一般的です。犬の低アレルギーフードにはさまざまな種類があるため、いくつか試しながら愛犬がおいしく食べられるものを選びましょう。
穀物アレルギーの犬には、サンライズの「ナチュラハグレインフリー」シリーズがおすすめです。粒状のドライフードの他、柔らかくて食べやすいウェットフードもご用意しております。
味の種類も豊富なので、愛犬の好みに合わせて選べるでしょう。保存料、合成酸化防止剤、着色料不使用の無添加なので安心です。
人が発症する犬アレルギーとは?
犬アレルギーに感染するのは、愛犬だけではありません。飼い主が発症する犬アレルギーもあり、悪化すると呼吸器系に深刻な症状があらわれるケースもあるため注意が必要です。
愛犬と長く健やかな生活を送るには、日頃からアレルギー予防や対策を行うのはもちろん、飼う前の事前準備も必要といえるでしょう。
犬アレルギーの原因
人が犬アレルギーを発症する場合、主なアレルゲンとなるのは犬の抜け毛やフケ、皮膚や唾液に含まれるタンパク質です。これらのアレルゲンがホコリに付着して空気中を浮遊し、飼い主の体内に侵入することで、犬アレルギーを発症すると考えられています。
皮膚のバリア機能が低下している方の場合、皮膚からアレルゲンが侵入し、犬アレルギーを発症するケースもあるため注意しましょう。
犬アレルギーの症状
犬アレルギーは、軽度の場合、咳やくしゃみ、鼻水など風邪に似た症状があらわれます。皮膚にかゆみを伴う発疹が出たり、目が腫れてかゆくなったりするケースもあり、個人差があるのが特徴です。
重度化すると、喘息や呼吸困難など、呼吸器系に深刻な症状があらわれる場合もあります。日常生活に影響を及ぼす可能性もあるため、早期に適切な対処を行いましょう。
犬アレルギーの治療・対策
人が犬アレルギーを発症した場合、抗アレルギーの内服薬、点鼻薬、点眼薬が処方されるのが一般的です。ただしあくまで対症療法のため、犬アレルギーを根本的に解決できるわけではありません。
人が犬アレルギーを発症しないためには、日頃からの予防が大切です。例えば、犬を定期的にシャンプーし、清潔な体を保つことも予防につながります。
アレルゲンとなる犬の抜け毛やフケからの感染リスクを予防するために、なるべく部屋の掃除をこまめに行いましょう。
犬を飼う前にできること
飼い主自身や家族が犬アレルギーを発症し、「飼えなくなった」と保健所へ持ち込まれるケースは後を絶ちません。愛犬とその家族が幸せに暮らし、一生を共にするためには、犬を迎え入れる前に確認しておくべきことがあります。
まず、犬と触れ合える場所などで実際に犬に触れ、アレルギー症状が出ないかを確認しましょう。
アレルギーに限らず、転居や病気などによって万が一飼えなくなった場合に備えて信頼できる引き取り手を見つけておくのも、愛犬の幸せを願う飼い主の大切な役割です。
まとめ
犬のアレルギーの原因はさまざまですが、早期にきちんとした対策を取ることが大切です。愛犬のアレルギー症状が疑われる場合は、なるべく早く獣医師に相談し、適切な処置を受けましょう。
食物アレルギーの愛犬のためのフードをお探しの方には、サンライズの「ナチュラハ グレインフリー」がおすすめです。愛犬の好みに合わせて選べる豊富な種類をご用意しております。気になる方はぜひチェックしてみてください。
PAGEでは、犬について、特徴や飼い方についての情報を発信しております。犬の種類、特徴、飼い方について気になる方はぜひ「大型犬の種類や飼い方」をチェックしてみましょう。
愛玩動物飼養管理士・老犬介護スペシャリスト
鍵山 由香
トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。
トリマーとして6年間勤務。当時保護したMIX犬の看取り後、充分な介護ができなかった後悔によりペットロスを経験。その後、介護の知識の必要性を感じ「老犬介護スペシャリスト」資格を取得。
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