ハムスターの尿は病気のサイン?注意点を詳しく解説

公開日:2023.10.05 更新日:2024.02.15

ハムスターの尿に血が混じっていたり、普段より量が多かったりする場合、「病気のサインかもしれない」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。ハムスターの尿は健康状態を表すバロメーターです。 ハムスターの尿に異常を感じたら、すぐに動物病院を受診しましょう。この記事では、ハムスターの尿をチェックすべき理由や、注意すべき尿の状態、尿に異常を感じたときの対処法についてご紹介します。

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記事の目次

ハムスターの尿の量や臭いをチェックすることは重要

木くずの上にいるハムスター

尿の量や臭いが普段と違う場合、何らかの病気が隠れているケースも少なくありません。

健康な状態のハムスターの尿は、薄い黄色です。それ以外の場合、尿に血が混じっている可能性があります。ただし、ハムスターは尿でカルシウムを排泄するため、白っぽく濁っているものは問題ないでしょう。

尿の量は個体差がありますが、普段よりも排泄量が多く、よく水を飲む場合(多飲多尿)、腎臓に病気があるかもしれません。ただし、水分量が多い生の野菜や果物などを与えた場合、一時的に尿の量が増える場合もあります。尿の量だけでなく、尿の臭いも継続的に観察しましょう。

ハムスターの尿は病気のサイン!このような状態のときは要注意

ケースの中にいるハムスター

ハムスターの尿に異常があれば、病気のサインかもしれません。特に注意すべき尿の状態は4つあります。

・尿が出ない
・血尿が出る
・尿の量が多い
・尿が臭い

ハムスターの尿を調べれば、尿石症や膀胱炎、腎炎、子宮蓄膿症などの病気を早期発見できるかもしれません。ハムスターの健康状態を維持するため、尿に異常がないかこまめにチェックしましょう。

尿が出ない

ハムスターがなかなか尿をしない場合、以下2つの病気が疑われます。

・尿石症(尿路結石、膀胱結石)
・膀胱炎

尿石症は、尿路結石や膀胱結石などの種類があり、尿の通り道(尿道)に結石ができる病気です。ハムスターの尿には、カルシウム成分が多く含まれるため、結石ができやすくなっています。ハムスターのお腹を触ると痛がる反応を示す場合、尿石症が考えられます。

膀胱炎は、膀胱に細菌が入り炎症を起こす病気です。膀胱炎にかかると、1回の尿の量が少なくなる場合があります。ハムスターは歩くときに腹部が地面に接するため、尿道から細菌が入りやすい生き物です。ケージ内が不衛生だと膀胱炎にかかるリスクが高まるため、こまめに掃除しましょう。

血尿が出る

ハムスターの尿に血が混じっている場合や、尿がオレンジ色の場合、以下の病気の可能性があります。

・腎炎
・尿石症(尿路結石、膀胱結石)
・膀胱炎

尿路結石や膀胱結石にかかると、結石が尿道を傷つけるため、血尿が出ます。膀胱炎も尿に血が混ざることがあるため、血尿が出た場合は注意しましょう。

また、ハムスターの尿に血が混じり、かつ臭いが強い場合は、腎炎も疑われます。腎炎とは、血液をろ過し、尿を作り出す腎臓に炎症が起きた状態です。腎臓の働きが正常でなくなると、尿に血が混ざる場合があります。

腎炎は腎臓病の前段階であることが多く、治癒しても腎臓の状態は元に戻りません。腎炎が疑われる場合は、早めに動物病院に連れていきましょう。

尿の量が多い

ハムスターの尿の量が多い場合も要注意です。尿の量だけでなく、水を飲む量も明らかに多い場合、以下の病気が疑われます。

・アミロイドーシス(アミロイド症)
・腎臓病(腎不全)
・膀胱炎
・子宮蓄膿症

タンパク質(アミロイド)が原因で臓器の働きが弱まるアミロイドーシスや、腎臓が正常に働かなくなる腎臓病など、多飲多尿の原因はさまざまです。

特に腎臓病にかかった場合、人間と違って人工透析ができないため、延命処置しか手立てがありません。栄養バランスのとれた食事を与えましょう。

メスのハムスターの場合、子宮内に膿が溜まり、子宮蓄膿症を発症している可能性もあります。生殖器の腫れや出血がひどい場合、すぐに動物病院で治療を受けましょう。

尿が臭い

ハムスターは、元々尿の臭気が強く、多少の臭いがあっても問題ありません。尿の臭いが普段と違う場合は、腎炎か膀胱炎を疑いましょう。

・腎炎
・膀胱炎

腎炎は、尿道から細菌が入り込むか、腎臓の機能低下によって発症します。同時に血尿が出ることも多いため、トイレ砂の状態をこまめにチェックしましょう。

膀胱炎が疑われる場合、以下の症状も併発します。

・血尿が出る
・尿の量や回数が増える
・尿道の周りがよく濡れている
・尿が臭い
・食欲がない
・体重が減っている

膀胱炎は、ハムスターの加齢に伴ってかかりやすくなります。膀胱炎を予防するため、栄養バランスのとれた食事を与えましょう。また、尿道に細菌が入らないよう、ケージを衛生的に保つことも大切です。

ハムスターの尿に異常を感じたらすぐ動物病院へ

振返るハムスター

ハムスターの尿に異常を感じたら、すぐ動物病院を受診しましょう。

・元気そうでも早めに受診する
・食欲や便に異常がないかを伝える
・ハムスターを診てくれる動物病院を探しておく

元気そうに見えても、実は深刻な病気かもしれません。いつでも動物病院へ連れていけるよう、ハムスターを診てくれる動物病院を探しておくことも大切です。

元気そうでも早めに受診する

人間と違って、ハムスターは言葉で症状を伝えられません。表面上は元気そうに見えても、実は尿道に結石ができていたり、初期の腎炎や膀胱炎を発症していたりする場合があります。尿の色・量・臭いの異変に気付いたら、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。

尿に異常が出る病気の中には、急性腎不全のようにハムスターの命に関わるものもあります。また、子宮蓄膿症やアミロイドーシス、腎炎など、放置すると危険な状態になる病気も少なくありません。早期発見早期治療を心掛け、症状が悪化する前に動物病院へ連れていきましょう。

食欲や便に異常がないかを伝える

動物病院を受診する場合、以下の3点を獣医師に伝えましょう。

・いつ頃から尿に異常が出るようになったか
・食欲があり、きちんと餌を食べているか
・フンの色や硬さ、臭いに異常はないか

尿の異常を発見した場合、原因となる病気は複数疑われます。例えば、血尿が出たからといって、尿道にできた結石が原因とは限りません。膀胱が炎症を起こしているケースや、腎臓の働きが弱っているケースも考えられます。

「ハムスターに食欲があるかどうか」「フンの色や硬さ、臭いに問題がないか」も合わせて伝えることで、ハムスターの病気を特定可能です。可能であれば、ハムスターのフンや尿を持参することもおすすめです。

ハムスターを診てくれる動物病院を探しておく

ハムスターを診てくれる動物病院は、実は多くありません。犬や猫を専門とする獣医師はいますが、ハムスターが専門の獣医師はあまりいないのが現状です。

ハムスターは体が小さく、麻酔が必要な外科手術の難易度が高くなります。動物病院によっては、ハムスターの手術に対応できず、治療を断られてしまうかもしれません。

ハムスターの体調に変化が起きたときのため、ハムスターの診療が可能な動物病院を前もって探しておきましょう。ハムスター専門の動物病院は少ないものの、ハムスターも治療可能な動物病院や、小動物専門の動物病院は存在します。

ハムスターの尿は病気でなくても臭い!対策を紹介

ケースの中からこちらを見るハムスター

ハムスターは元々、乾燥地帯で暮らす生き物です。尿の量があまり多くないため、成分が濃縮され、臭いの原因であるアンモニア臭が強くなります。ハムスターの尿は、病気でなくても基本的に臭いため、気になる方は以下の対策をしましょう。

・トイレ・トイレ砂を準備する
・ケージ内やトイレをこまめに掃除する
・消臭グッズを活用する

トイレ・トイレ砂を準備する

ハムスターのケージにトイレやトイレ砂を設置しましょう。個体差はありますが、ハムスターはトイレのしつけが可能です。トイレの設置場所に尿の臭いをつけておけば、臭いをたどってトイレで排泄してくれます。しつけに成功すれば、ケージや床材に尿が付着せず、嫌な臭いが気になりません。

ただし、お迎えしたばかりの時期はハムスターが不安を感じ、トイレを利用してくれない場合もあります。ゆっくり時間をかけてトイレの場所を覚えさせましょう。ハムスター用のトイレやトイレ砂は、ペットショップなどで簡単に入手できます。

ケージ内やトイレをこまめに掃除する

臭いを防止するため、ケージ内やトイレはこまめに掃除しましょう。お手入れを怠ると、ケージやトイレに汚れが定着し、尿の臭いがとれなくなる場合があります。

トイレやトイレ砂は、以下の表を目安として定期的に交換しましょう。

トイレ 2.3日~1週間に1回を目安に丸洗い
トイレ砂 基本的に毎日交換

また、ハムスターの尿の他にも、餌の食べ残しが原因で臭いが発生する場合があります。特に生の野菜や果物は、放置すると腐敗するため、食べ残しはすぐに取り除きましょう。ハムスターの臭いを予防するには、ケージを衛生的に保つことが大切です。

消臭グッズを活用する

ハムスターの臭い対策として、さまざまな消臭グッズが販売されています。

・抗菌効果や消臭効果のあるトイレやトイレ砂
・吸臭性や吸湿性が高い床材
・ハムスターのお風呂の役割を果たす浴び砂(バスサンド)

消臭グッズは、ペットショップやホームセンターなどで購入可能です。トイレやトイレ砂を消臭効果の高いものに置き換えるだけでも、ケージの臭いが変化します。

また、ケージ内に敷く床材は、吸臭性や吸湿性が高いものを選びましょう。加えて、ハムスターが砂浴びをするためのバスサンドがあれば、臭い対策だけでなく、ストレス対策にもなります。

まとめ

木くずの上にいるハムスター

ハムスターの尿は、健康状態を調べるためのバロメーターです。尿の色・量・臭いに異常があったら、すぐに動物病院に連れていきましょう。見かけ上、ハムスターが元気に動いていても、実は尿石症や膀胱炎、腎炎、子宮蓄膿症などの病気にかかっているかもしれません。

ハムスターの尿の臭いが気になる場合、消臭グッズの導入がおすすめです。ペット用品の総合メーカー「マルカン」では、ハムスター向けのトイレやバス用品を多数取り扱っています。尿の臭い対策ができるアイテムをお探しであれば、マルカン公式サイトの「ハムスター・リスの製品一覧」をぜひご参考にしてください。

また、PAGEでは、ハムスターの飼育初心者の方、既にハムスターを飼っている方に向けて「ハムスターの飼い方」についての情報を発信しております。気になる方はぜひチェックしてみましょう。

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