ハムスターも胃腸炎になる?下痢の原因や予防方法を紹介

公開日:2023.10.05 更新日:2024.02.15

ハムスターが下痢をすると、もしかして胃腸炎かもしれないと不安になる方も多いのではないでしょうか。ハムスターが下痢をする原因はいくつか考えられるので、異常が見られるときはすぐ病院に連れていくことが大切です。 この記事では、ハムスターが下痢をする原因や、下痢をしたときに必要な対策、下痢や増殖性回腸炎を予防する方法についてご紹介します。 ハムスターを病院に連れていくときのポイントも紹介しているのでぜひ参考にしてください。

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記事の目次

ハムスターも胃腸炎になる?下痢には要注意

こちらを覗くように見るハムスター

ハムスターの健康なフンは米粒に似た楕円形か、少し長めの形をしています。色は直前に食べたものによって若干変化しますが、茶褐色や黒色が一般的です。乾燥していてコロコロと硬く、臭いはあまりありません。

そのため、柔らかいフンを排泄したり、お尻あたりがフンで汚れていたりする場合は下痢の疑いがあります。下痢をしているときは独特の臭いがするのも特徴のひとつです。

ハムスターが下痢をする原因は複数ありますが、胃腸炎を起こしている可能性もゼロではありません。放っておくとハムスターが弱ってしまうおそれがあるので、日頃からハムスターのフンを観察し、異常がないかどうかチェックしておきましょう。

ハムスターが下痢をする原因は?増殖性回腸炎の可能性も

木の実をあごにつけて座るハムスター

ハムスターが下痢をする原因は主に3つあります。

・消化不良や餌のあげすぎ
・ウェットテイル(増殖性回腸炎)
・寄生虫

特にウェットテイルや寄生虫は専門の治療が必要な症状になるので要注意です。
以下ではそれぞれの原因について詳しく解説します。

消化不良や餌のあげすぎ

ハムスターの下痢の原因で多いのは、消化不良や餌のあげすぎです。例えば、野菜や果物は90%以上が水分で占められているので、与えすぎるとお腹が緩くなって下痢を引き起こす原因となります。

また、ハムスターの好物であるひまわりの種のあげすぎにも要注意です。ひまわりの種は油分を多く含むため、大量に食べると消化不良を起こすことがあります。他にも、質の悪い餌を与え続けると栄養バランスが崩れ、下痢気味になることがあるようです。

ハムスターは体が小さいぶん、食べた餌の影響を大きく受ける傾向にあります。雑食性のハムスターは与えれば何でも食べてしまうので、飼育する人間が餌の内容をコントロールすることが大切です。

ウェットテイル(増殖性回腸炎)

ウェットテイルとは、水っぽい下痢によってお尻や尻尾(テイル)が濡れた(ウェット)状態になることです。正式名称は増殖性回腸炎といいます。

ウェットテイルになる原因は、カンピロバクターなどの腸内細菌や、酵母などの真菌、ウイルスなどです。また、質の悪い食事やストレスが原因となることもあります。ハムスターによく見られる症状ですが、一度発症すると重症化しやすく、場合によっては衰弱して命を落とす危険な病気です。

ウェットテイルは消化不良による下痢に比べると、フンがより水っぽく、臭いも強烈で見分けが付きやすいので、症状が現れたら早急に病院へ連れていきましょう。

寄生虫

ハムスターの消化管内に寄生虫がいる場合も下痢を起こす原因となります。ハムスターの場合、ヘキサミタやトリコモナスなどの原虫類に寄生されるケースが多いようです。

寄生虫は集団生活を送っている間に感染しやすいため、ブリーダー元やペットショップで育てられた若いハムスターが下痢をしているときは寄生虫を疑いましょう。ウェットテイル同様、放置していると重症化するおそれがあるので、早急に動物病院で適切な治療を受けることが大切です。

なお、寄生虫はハムスターの腸内だけでなく、排泄されたフンの中にも存在します。せっかく治療しても、フンの中にいる寄生虫に触れると再感染するおそれがあるので注意が必要です。

ハムスターが下痢をしていたら早めに病院を受診すべき

掌の上で横になるハムスター

ハムスターは体が小さいぶん、下痢による脱水症状や体力の消耗が激しい傾向にあります。場合によっては短時間で命を落としてしまうこともあるので、早急に適切な治療を受けさせましょう。

病院に連れていくときは、使い捨てカイロや布などを使ってハムスターの体を温めることが大切です。また、体調不良のときは急激な温度変化や振動でダメージを受けやすいので、ケージではなく小さめのプラケースやキャリーケースに入れて連れていくことをおすすめします。

病院では下痢の原因を特定するためにフンを検査するので、新しいフンをラップやビニール袋などに包んで持参しましょう。

ハムスターが下痢をしたときに必要な対策

回し車の横で座るハムスター

ハムスターが下痢をしたときは、動物病院に連れていくと同時に、以下3つの対策を行う必要があります。

・ケージ内を消毒する
・床材を交換する
・水を新しいものに入れ換える

必要な対策を怠ると、下痢の症状が悪化するおそれがあるので注意しましょう。ここでは3つの対策について詳しく解説します。

ケージ内を消毒する

ケージ内が汚れていると、雑菌や細菌が繁殖し、下痢の症状が悪化するおそれがあります。せっかく病院で治療を受けても、汚れたケージに戻すと二次感染のリスクがあるので、ケージ内はしっかり消毒しましょう。

消毒というとアルコールや洗剤を思い浮かべる方も多いと思いますが、これらはハムスターの体に刺激や影響を与える可能性があります。ケージを消毒する場合は、熱湯を掛けて、天日干しする方法がおすすめです。

床材を交換する

ハムスターのケージに敷いている床材に下痢が付いた場合、新しいものと交換しましょう。汚れた床材を放置しているとウイルスや真菌が繁殖し、下痢症状が悪化したり、二次感染の原因になったりします。

下痢の飛沫があちこちに付着している可能性があるので、目視できる汚れだけでなく、ケージ内の床材を丸ごと交換するのがおすすめです。二次感染を防ぐため、床材を交換するときはゴム手袋などを着用しましょう。

水を新しいものに入れ換える

水道水は塩素で殺菌されているので、通常は短時間で腐ることはありません。しかし、気温や湿度が高い日や、水道管内に異物が混入している場合などは、短期間で腐敗することがあります。

質の悪い水を与えると下痢の原因になることがあるので、季節に関係なく、水は1日1回は新しいものと入れ換えましょう。下痢で体力を消耗していて自力で水を飲めないようなら、病院で点滴を受けるか、スポイトで飲ませてあげる必要があります。

ハムスターの下痢や増殖性回腸炎を予防する方法

餌を食べるハムスター

ハムスターの下痢や増殖性回腸炎は、ハムスターの飼育環境を見直したり、健診を受けたりすることで予防できます。以下3つのポイントを中心に、ハムスターの下痢予防に取り組みましょう。

・餌の量や種類を見直す
・ケージ内を常に清潔に保つ
・定期的に健康診断を受ける

餌の量や種類を見直す

消化不良や餌の与えすぎが原因の下痢は、餌の量や種類を見直すことで予防できます。野菜や果物はビタミンやミネラルの補給に役立ちますが、大量に与えると下痢の原因となるので、少量を心掛けるようにしましょう。特に水分と食物繊維の含有量が多いトマトやレタスはお腹が緩くなる原因となるので、控えた方が無難です。

また、同じ種類の野菜や果物だけでなく、さまざまな食材をバランスよく与えましょう。小松菜やにんじんといった緑黄色野菜の他、さつまいもやかぼちゃなどの芋類を与えるのもおすすめです。果物はバナナやりんごなどを少量ずつ与えます。なお、餌の量はハムスターの種類や体型、年齢に合わせることが大切です。

ケージ内を常に清潔に保つ

下痢の原因となる細菌や真菌が繁殖しないよう、ケージ内は常に清潔な状態を保つようにしましょう。トイレの砂や床材、ケージの底は1日~3日に1回、ケージや回し車などは1か月~3か月に1回くらいのペースで掃除するのがベターです。なお、気温や湿度の高い夏場は、ケージや回し車を1か月に1回清掃した方がよいでしょう。

プラスチック製のものは水洗いし、しっかり乾かしてから新しい砂や床材をセットします。汚れがひどい場合は中性洗剤で洗い、流水できれいにすすいで天日干しするのがベストです。洗剤が残っているとハムスターの体に影響を与えるおそれがあるので、すすぎは念入りに行いましょう。

定期的に健康診断を受ける

動物は人と異なり、体に異常があっても言葉で伝えられないため、病気や体調不良を見逃してしまいがちです。特にハムスターは症状が出てから衰弱するまでの時間が短いので、早期発見・早期治療が重要なポイントになります。

普段から健康診断を受ける習慣を付けておけば、素人では見逃しがちな異常をいち早く察知し、然るべき処置を受けられるでしょう。また、定期的に健診に連れていくことで病院の雰囲気に慣れさせておけば、受診したときにハムスターに過度なストレスを掛けずに済みます。

健康診断に通う頻度は人によって異なりますが、ハムスターは2歳になったら高齢なので、1か月~3か月に1回の頻度で受診するケースが多いようです。

まとめ

木くずの上で座るハムスター

ハムスターは消化不良や餌のあげすぎ、ウェットテイル、寄生虫などが原因で下痢をすることがあります。症状が悪化すると衰弱するので、早急に病院を受診しましょう。

日頃からバランスのよい餌を与えたり、ケージ内を清潔にしたりすれば、下痢予防につながります。

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